いまネットワーク・プロセサに注目が集まっている。1999年に米Intelと米IBMが相次いで参入したのに続き,先日(2月23日)は米Motorolaもネットワーク・プロセサの開発を手掛ける米C-Portを4億3000万ドルで買収し事業強化に乗り出した。こうしたなか,米Cahners In-Statが米国時間3月6日にネットワーク・プロセサ市場が急速に拡大するとの調査結果を発表した。


 それによると,1999年におけるネットワーク・プロセサの売上高は1億2800万ドルであったが,これが年平均63%近い成長率で拡大し,2004年には29億ドル規模に達するという。ASICから柔軟性に富むネットワーク・プロセサに移行する。


 LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Netowork)での広帯域需要が増大しており,これがネットワーク・プロセサ市場の成長を押し上げている。「ルータやLayer 3 EthernetスイッチからATM WANやLANのスイッチに至るまであらゆるネットワーク技術に,トラフィックを効率的に管理できるネットワーク・プロセサが必要」(Cahners社アナリストのDong McEuen氏)。


 同社がネットワーク・プロセサ市場について予測するトレンドは以下の通り。


・インターネットの拡大により,今後も高速/高性能ネットワーク製品の投入に拍車がかかる。これがあらゆる市場でのネットワーク・プロセサの導入率を押し上げる。


・現在ネットワーク・プロセサ市場では,既存ベンダと新興ベンダが混在している。市場で優位に立つことを狙って,企業のM&Aなどが続く。


・ルータ,Layer 3のFast Ethernet,Gigabit Ethernetスイッチが,向こう5年間にわたってネットワーク・プロセサ市場を牽引する。


 ちなみに米IDCの調べによるとネットワーク・プロセサ市場は2002年に3億ドル規模,米Dataquest調べでは2003年までに10億ドル規模に成長するといわれる。ネットワーク・プロセサの定義が各社でまちまちの可能性もあるが,In-Stat社の予測はかなり高い数値となっている。

[発表資料]