インターネット時代に解決すべき問題の一つにデジタル著作権がある。複製が容易なうえに,インターネットを介して簡単にしかも大量の配布できる環境のなかで,どのようにして著作権を保護するか・・・。その解答の一つが,著作権情報をデジタル著作物に刷り込む電子透かし技術である。

 電子透かしソフトウエアの大手ベンダーである米Digimarcが米国時間1月4日に,グラフィック・アートの業界団体Printing Industries of America(PIA)と電子透かし技術に関して提携したことを明らかにした。

 Digimarc社の「MediaBridge」をPIAのメンバのプリンタで使えるようにする。ディスカウント料金で提供する。対象となるプリンタは1万台以上となる。MediaBridgeは,既存の出版物などに保護する電子透かしを刷り込むとともに,オンライン化するソフトウエアである。

 MediaBridgeで印刷物に刷り込んだ電子透かしデータは,ソフトウエア「Digimarc MediaBridgeReader」で読みとることができる。たとえばパソコンとつながったカメラで雑誌の広告ページをうつすと,「MediaBridge Reader」ソフトによって対応するWWWページが自動的に立ち上がる。ページ下部の隅に「D」のマークがあるものは,インターネットで読める。

 なおDigimarc社によると,MediaBridgeはすでに,Popular MechanicsやSmart Money,Good Housekeepingといった出版物で使われているという。

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[発表資料]