Bluetooth対応のLSI開発を手掛けるイギリスのCambridge Silicon Radio (CSR)が,米Intel Capitalから出資を得たことを英国時間2月23日に明らかにした。CSR社は,Intel Capitalから得た資金を元に,Bluetooth製品の開発リソースの拡充とマーケティングの強化を図る。投資額は明らかにしていない。

 CSRは,2.4GHz帯の無線通信機能を組み込んだマイクロコントローラ「BlueCore 01」を開発したベンダである。CMOS技術で製造する。「世界初の1チップ・ソリューション」(CSR社)。BlueCore 01の出荷は今年半ばに始める。今年中にさらに多くのBluetooth製品を市場に投入する。

 BlueCore 01は0.35μmルールのCMOS技術を使う。汎用標準品である。16ビットのRISC型マイクロコントローラのほかにRF回路やRAMを内蔵する。RF回路にはVCOやシンセサイザ,IFフィルタなどを含んでいる。USBやUARTのインタフェース,オーディオ出力インタフェース(13ビットPCM)も備える。電源電圧は2.7V~3.3V。パッケージは80ピンのフリップチップBGA。

 今年中にはBlueCore 02の発表を予定する。製造技術は0.25μmである。フラッシュ・メモリ(BlueCore 01では外付け)を内蔵する。2001年に投入を予定するのがBlueCore 03。コードレス・ヘッドフォンなどのアプリケーションに特化したASSPである。0.25μmルールの半導体技術で製造する。

 なおCSR社は1998年設立のベンチャー企業。Intel Capital以外にも,3i, Amadeus Capital Partners Limited,Gilde IT Fundから出資を得ている。

 Bluetoothは,短距離通信に向く低コストの無線通信技術。Ericsson社,米IBM,米Intel,フィンランドNokia,東芝が立ち上げた。現在Bluetooth Special Interest Group(SIG)のPromoterグループには,米Microsoftや米3Comと米Lucent Technologies,米Motorolaなどが加わっている。

 Bluetoothは2.45GHzのISM帯を使う。携帯電話,ノート・パソコン,PDAといったモバイル機器間での用途をねらう。移動したり,ポケットやブリーフケース内に機器あっても通信できるようにする。1999年7月には,仕様の1.0版を発表している。

 Bluetoothの市場については,米Allied Business Intelligenceが2005年に20億ドル,米Cahners In-Statが30億ドルという調査結果を明らかにしている

[発表資料]