「米国世帯のネット・ユーザーが12月第2週(12月4日~10日)にインターネットに費やした金額は15億ドル。第1週(11月27日~12月3日まで)の13億ドルから2億ドル増大した」。大手投資銀行の米Goldman Sachsと調査会社の米PC Dataが共同で実施した調査結果を発表した。
調査は,インターネットの家庭ユーザーを対象に12月11日から14日までの期間に行った。12月第2週のオンライン・ショッピングの利用状況について3002人から回答を得た。両社は週ごとに調査結果をまとめている。
10月30日以降,ネット・ユーザーがオンライン・ショッピングに費やした金額の合計は,前年の33億ドルから115%増の72億ドルとなった。ただし12月第2週の支出は合計15億ドルで,前年同期間の12億5000万ドルに比べると,伸び率は24%にとどまった。
「オンライン・ショッピングの消費行動パターンが今年はだいぶ異なっている。1999年には12月初旬に利用が集中したが,今年は11月はじめの時点ですでに商戦がスタートした。週ごとの支出は,11月第1週以降,5週間連続で10億ドルを超えている」(PC Data社)。
「11月はじめのオンライン販売は前年比250%増から300%増と大きな伸びをみせたが,12月に入り伸び率にはブレーキがかかっている。この“減速”が予想以上に大きいことから,今シーズンの売上高は最終的には当初の予想を下回る,前年比50%増から100%増程度にとどまる見込みである」(Goldman Sachs社アナリストのAnthony Noto氏)。
12月第2週の売上高を品目別でみると,「アパレル」が2億1300万ドルで引き続きトップに立っている。前週は1億8200万ドルだった。「民生機器」も堅調で1億2200万ドルから2億ドル強へと大きく伸びた。「コンピュータ・ハードウエア関連」が2億ドル,「玩具」が1億3800万ドルで続いている。
オンライン・ショッピング利用者の満足度はおおむね高い。
「オンライン・ショッピング・サービスは,昨年と比べて同程度もしくは向上していると思う」と回答した人の割合は,11月第4週から12月第1週までの調査では78%,12月第2週の調査では75.4%だった。ただし,「欲しいものが在庫切れだった」との回答も全体の52%にのぼったほか,「WWWサイトにトラブルがあって,買い物の手続きを完了できなかった」人も25%いた。
ホリデイ・ショッピングを「すでに終えた」人は27%。一方で「まだ始めていない」人も19%いた。「すでに始めているが、まだ終わっていない」人が最も多く全体の54%を占めた。
12月第2週のオンライン・ショッピング利用状況について,詳細は以下の通り。
■表 米国におけるオンライン・ホリデイ・ショッピングのカテゴリ別利用状況(12月4日~10日/単位:1000ドル)
カテゴリ | 利用金額 | ギフトの割合 |
アパレル | $213,557 | 57.4% |
書籍 | $71,807 | 52.4% |
コンピュータ・ソフトウエア(ゲームを除く) | $36,539 | 34.7% |
コンピュータ・ハードウエア(ゲームを除く) | $200,393 | 24.8% |
家庭用ビデオ・ゲーム機 | $17,196 | 74.5% |
ゲーム・ソフト | $46,084 | 62.2% |
玩具(ビデオ・ゲーム類を除く) | $138,460 | 84.0% |
グリーティング・カード | $5,772 | 78.8% |
イベント・チケット | $32,993 | 36.5% |
民生機器 | $200,756 | 57.3% |
食料品 | $37,182 | 31.0% |
家庭用品・園芸用品 | $36,002 | 35.1% |
花 | $14,391 | 78.0% |
健康・美容関連 | $20,804 | 36.2% |
宝飾品 | $64,240 | 62.0% |
音楽 | $39,255 | 51.2% |
ペット用品 | $65,024 | 15.1% |
スポーツ用品 | $36,096 | 58.5% |
旅行関連 | $123,981 | 17.6% |
ビデオ/DVD | $41,120 | 44.7% |
その他 | $79,266 | 64.5% |
合計 | $1,520,917 | - |
出典: Goldman Sachs/PC Data
◎関連記事
■年末のオンラインセールスはさまざまな“欠陥”も
■「年末商戦第3週,オフライン・ブランドが健闘」,米Media Metrixの調査
■米Nielsenがホリデイ・シーズンのオンライン・ショッピング利用動向調査公表「今年の利用者数の伸び率は53%,昨年ピークを大きく上回る」
■感謝祭翌日にECサイトのトラフィックが27%増加,今期最も「混雑」した日に
■「今年のオンライン・ホリデイ・ショッピングの出足は鈍い」とNeilsen//NetRatings社
■「歳末商戦のキーワードは“デジタル”と“ポータブル”,PCは鈍化」と米NPD
■今年のホリデー・シーズンのネット売り上げは125億ドル---NPD Groupの調査
■2000年の年末商戦,オンライン販売の売り上げは昨年比2倍の114億ドル
[発表資料]