米IDCは米国時間12月19日,電子ブックに関する市場調査結果“2000-2004: Digital Books and Print on Demand”を公表した。

 調査結果によると,2000年の消費者向け電子ブックの米国市場規模は900万ドル。これが2004年には4億1400万ドル規模に拡大するという。

 「書籍出版は今後デジタル化が進む最大の分野。すでに多数の大手企業が電子出版を手がけている」(IDC,eMediaプログラム上級アナリストのMalcolm Maclachlan氏)。

 急速な市場成長は2001年まで続き,2002年には業界全体に普及する。すでに成熟しつつある書籍のオンライン販売市場が,電子ブックの市場成長を押し上げる。また,米Adobe SystemsのPDF形式などのデータ標準形式の普及やMicrosoft Reader搭載端末のように電子ブックの機能や利便性を高める製品の登場が,2002年に市場規模をさらに大きくする。

 流通コストの削減や幅広い種類のコンテンツをより多くの読者に提供するなど,既存の出版社には電子ブック市場へ参入する強い動機がある。こうした出版社は音楽業界がオンライン配信に向けたビジネス・モデルを構築したように,出版やオンデマンド印刷,オンライン閲覧に対応したビジネス・モデル構築に積極的に取り組むべきと,このレポートは結論づけている。


◎関連記事
米マイクロソフト,目の不自由な人向けの電子ブックで提携
Microsoft,電子ブックでAmazon.comとも提携
Microsoftがパソコン向け「Microsoft Reader」の配布を開始
Microsoftと米国出版者協会,電子ブックの違法コンテンツ撲滅で協力
米マイクロソフトが米社から画像含む文書の圧縮技術を取得,電子ブックなど視野
AdobeがSeyboldで電子ブック,WWW,印刷・出版の新戦略を発表
  • [発表資料へ]