米Time Warner傘下のTime Warner Cable社がインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のRoad Runner LLC社の所有権を拡大する。Time Warner社が米国時間12月18日に,明らかにしたもの。

 これはRoad Runner社の共同株主である米AT&Tが米MediaOneの買収に際して,司法省とのあいだで交わした合意に従うもの。

 現時点で,Time Warner社,AT&T Broadband社,Advance/Newhouse社がRoad Runner社の株式を合計80%所有し,米Microsoftと米Compaq Computerが残りの20%を所有している。新たな契約のもと,Microsoft社とCompaq社が所有する株式が買い戻され,Road Runner社の全資産はTime Warner社と関連会社,およびAT&T Broadband社に配分される。Time Warner社と関連会社は約5億7000万ドルを支払い,Road Runner社の国内資産を取得する。

 今回の所有権再編により,2001年末までの予定だったTime Warner Cable社とRoad Runner社の独占契約は終了する。「Time Warner Cable社が複数のISPにCATVネットワークを開放する予定を早めることができる」(Time Warner社)。今年12月14日にFTC(米連邦取引委員会)はTime Warner社と米America Online(AOL)の合併に関して条件付きで承認を発表しており,それには競合ISPへのCATV網の開放が含まれている。

 またAT&T社もこの件に関して同日発表を行い,AT&T社の広帯域事業AT&T BroadbandとTime Warner社が提携を結んだことを明らかにした。AT&T Broadband社は,顧客に対して引き続きRoad Runnerのサービスを提供する。継続期間は最大15カ月。サービスにおける変更が生じる場合は前もって顧客に通知するとしている。

 なお,Road Runner社における所有権再編の手続きは2001年第1四半期に完了する予定である。

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[Time Warnerの発表資料]
[AT&Tの発表資料]