「2000年11月に,家庭のパソコンからインターネットのストリーミング・メディア・コンテンツにアクセスしたユーザー数は,前年に比べて65%増の3500万人に達した。3500万人はネット・ユーザー全体の36%にあたる」。米Nielsen//NetRatingsが米国時間12月13日に調査結果を発表した。

 1999年11月の調査では2100万人で,ネット・ユーザー全体の28%だった。詳しくは以下の通り。

■表 米国におけるストリーミング・メディア視聴者数の比較(1999年と2000年/家庭ユーザー)

  1999年11月視聴者数 2000年11月視聴者数 伸び率
ストリーミング・メディア視聴者数 2100万人 3470万人 65 %
インターネット・ユーザー総 7400万人 9540万人 -
ネット・ユーザにおけるストリーミング視聴者の割合 28% 36% ^

出典: Nielsen//NetRatings社, November 2000

 「スーパーボウルやオリンピック,大統領選など大きなイベントがあると,音声や動画のストリーミング・コンテンツの利用が著しく伸びる。また映画の予告編やCMなどでも需要が大きく増大している。ここ1カ月間だけでも,映画「Grinch」や「Charlie's Angels」の予告編をWWWのストリーミングで視聴した人は延べ1000人にのぼった」(Nielsen社のディレクター,T.S.Kelly氏)。

 視聴者を性別でみると,女性が1999年は900万人から77%増の1600万人と大きく伸びた。男性は56%増の約1900万人だった。

 年齢別でみると,2~18歳の子ども+ティーンの年齢層でストリーミングの利用が前年比65%増で伸びて,視聴者数は700万人にのぼった。また65歳以上のシニア世代でも伸び率が前年比95%増と大きく,視聴者数は140万人となった。

 人種でみると,アフリカ系アメリカ人の伸び率が最も高く,118%増の350万人。白人が64%増の3000万人,アジア系アメリカ人が41%増の80万人,ヒスパニック系が34%増の190万人だった。

 インターネット接続の回線速度別でみると,56Kbps以上の広帯域接続を利用しているユーザーがダイヤルアップ接続ユーザーよりも50%程度多かった。

 「ストリーミング・メディアの利用が広まるにつれ,TV局やラジオの放送局などがターゲットとする視聴者層をつかもうと,WWWでのコンテンツ提供を本格的に始めた」(Kelly氏)。

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