米IDCが米国時間12月13日に,2000年第3四半期における世界サーバー市場に関する調査結果を発表した。

 第3四半期における工場出荷時ベースの売上高は前年同期比12%増の154億ドルとなった。前期(2000年第2四半期)からは6%増。出荷台数は前年同期と比べて21%増加した。

 「市場の成長を牽引した要素の一つはx86プロセサを搭載したPCサーバー,とりわけラックマウント型サーバーである」(IDC,Global Enterprise Server Solutions部門副社長のVernon Turner氏)。ラックマント型サーバーの売り上げは前年同期から約400%も成長した。

 1999年は2000年問題がサーバーの売り上げを抑制していたことも,当期が前年同期と比べて大幅に伸びた原因の一つとなっている。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・世界サーバー市場の首位は米IBMが維持した。しかし売り上げが最も増加したメーカは米Sun Microsystemsで,1999年第3四半期の4位から2位に順位を上げた。

・分野別では,ハイエンド機(価格100万ドル以上)が最も成長し,前年同期と比べて18%伸びた。次いでエントリ機(価格10万ドル未満)が11%増。しかし前期比の成長率ではエントリ機が最も高く,8%増加した。

・西欧市場は低迷がささやかれているものの,サーバーの売り上げは前年同期から8%増加。日本を除くアジア太平洋地域は27%も成長した。

・Linux搭載機が伸びており,前年同期と比べて178%も急増した。

 またSun社はIDCの調査結果を引用するかたちで,同社が2000年第3四半期におけるUNIXサーバ市場の首位に立ったと同日発表した。IDCの調査では,第3四半期のUNIXサーバー市場でSun社が出荷台数ベースと売上高ベースともに首位を獲得したという。

 出荷台数ベースのシェアは48%。米Hewlett-Packard(HP)の3倍以上,米Compaq Computerの約4倍,米IBMの約5倍という。

 売上高ベースでは39%のシェアを占めた。HP社は23%,IBM社は16%,Compaq社は9%だった。

 ちなみに,UNIXサーバ市場全体の成長率は出荷台数と売上高ともに20%増だった。

 同様にIBM社もIDCの調査を引用した発表を同日行った。それによると,2000年第3四半期のUNIX搭載ミッドレンジ・サーバー(価格10万ドル~100万ドル)市場でIBM社の成長率がSun社を抜いたという。

 第3四半期におけるIBM社の売上高は前年同期と比べ71%成長。対するSun社は40%増だったという。またUNIX市場全体におけるシェアは,IBM社が8ポイント高くなり,Sun社は4ポイント上昇した。

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[www.prnewswire.comに掲載の発表資料]
[www.Sun.comに掲載の発表資料]
[www.ibm.comに掲載の発表資料]