アクセスと米Motorolaは,アクセスのマイクロブラウザ「Compact NetFront」に関してなライセンス契約を結んだと米国時間12月11日に発表した。

 Motorola社は,組み込み向けプロセサ群(PowerPCやARM,M-CORE,ColdFire)とCompact NetFrontをバンドルして顧客に提供する。無線端末やインターネット端末に向ける。

 なおCompact NetFrontは300KバイトのROMと150KバイトのRAMで動作する。iモード端末でも使われているマイクロブラウザである。

 またアクセスは同日,「NetFront 2.6 Linux Software Development Kit (SDK)」を日米で発表した。組み込み向けWWWブラウザ「NetFront」のLinux対応版「NetFront 2.6 for Linux」向けソフトウエア開発者キットである。

 Linuxベースのインターネット端末やパソコン以外の機器での採用を視野に入れる。なおNetFrontは1995年の発表以来,40社におよぶメーカーの1800万台以上の装置に搭載されているという。PDA,セットトップ・ボックス,カーナビ,WWW対応携帯電話機,ビデオ・ゲーム機などに利用されている。

 NetFront 2.6 for Linuxのカーネルは270Kバイト以下。2Mバイトのメモリで動作する。HTML3.2の全機能,HTML4.0の特定機能,フレーム,JavaScript,Cookieに対応する。バージョン2.5と比べてインタフェースのカスタマイズ性などを向上し,新たにスクリーン・メモ機能を追加した。

 NetFront 2.6 Linux SDKはLinuxカーネル2.0以降のバージョンで動作し,glibc 2.0または2.1,Xfree86 3.3に準拠する。構成はX WindowsシステムとGTK+ 2.6,あるいはX Windows以外のシステムとSDL 1.1.3の2種類をとる。

 NetFront 2.6 Linux SDKにはNetFront 2.6のブラウザ・カーネル,ユーザー・インタフェースのサンプル・モジュール,PIM(個人情報管理)スイート,インターネット・メール・モジュール,サンプル・ライブラリ(GTK/SDL)などが含まれる。AVE-SSL,SSL 2または3のモジュールがオプションで付属する。

 NetFront 2.6 Linux SDKの価格は,5開発シート向けで4万ドル。3カ月のサポートが付く。なお,Linux対応NetFrontのデモ版を12月15日までアクセスの米国法人Access Systems AmericaのWWWサイトで提供している。

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[www.businesswire.comに掲載の発表資料1]
[www.businesswire.comに掲載の発表資料2]