米Oracleが米国時間12月11日に,Webサービス開発ための枠組み「Oracle9i Dynamic Services」を発表し,即日出荷を始めたことを明らかにした。直ちに利用が可能であることから「.NOW,」と称している。

 「Oracle9i Dynamic Servicesは,e-business向けWebサービスをさまざまなアプリケーションに統合するためのプログラミングおよび管理の枠組みを提供するもの」(Oracle社)。

 Oracle9i Dynamic Servicesは無償による提供となる。「Oracle9i」データベースの現行版とともに提供される。この枠組みのもと,開発者はアプリケーション・サーバー「Oracle9i Application Server」の機能を利用して,ポータル・サイトや無線インターネット,イントラネット向けのさまざまなWebサービスを開発できるようになる。

 これらWebサービスは,WWWサイトやデータベースなどの情報を集め,アクセスできるようにするもの。クライアントの機器やユーザの用途に応じたパーソナル可も可能である。通貨換算,旅行予約,見積もりや入札のリクエスト,翻訳,医療や保険などの支払い請求処理,輸送サービスなど,さまざまな用途が考えられるという。

 同社によると,Oracle9i Dynamic Servicesは,XMLやJavaなどの最新の標準仕様を取り入れていることが「鍵」という。今後,UDDI(Universal Description, Discovery, and Integration)やSOAP(Simple Object Access Protocol)の最終仕様が完成した際には,これらの仕様も取り入れていく予定である。このほか,管理の容易さ,セキュリティ,信頼性の高さ,Webサービスのポリシー制御が行えるといった特徴をもつという。

 なお,Oracle社は開発者キット「Oracle Dynamic Services Development Kit」の配布を12月18日の週より始めることも明らかにした。同社Webサイト(http://otn.oracle.com)で無償ダウンロードを始める。

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