米Microsoftが米国時間12月6日に,「XML for Analysis」のベータ仕様を公開したことを明らかにした。同社のWWWサイト(http://www.microsoft.com/data/)でダウンロードによる配布を始めている。

 XML for Analysisは,データ・アクセス方式「OLE DB」をベースとしたオンライン分析処理のインタフェース仕様「OLE DB for OLAP」とデータ・マイニングのインタフェース仕様「OLE DB for Data Mining」を拡張したもの。HTTP,XML,SOAPをベースにしている。

 「分析アプリケーションのプラットフォームとしてインターネットを使っている。このため,企業は顧客やサプライヤに対して,手軽で安全な方法でデータ・アクセスを提供できる。先方のOSやアプリケーションの言語,ミドルウエアの互換性といった心配が不要になる」(Microsoft社)。

 XML for Analysisは,.NET構想の一つであるWebサービスにビジネス・インテリジェンスの機能を加えるもの。開発者に,Webサービスのアプリケーションにデータ解析の機能を組み込むための基盤を提供する。これによりユーザはPDAやインターネット対応電話,双方向TV機器,パソコン,ノート・パソコンといったさまざまな機器からビジネス・データにアクセスできるようになる。

 XML for Analysisは, OLE DB for OLAPおよび OLE DB for Data Miningの後継プロトコルという位置づけである。また,これらとは互換性を保つため,XML for Analysisへの移行も容易に行えるという。

 Microsoft社は,XML for Analysisの最終仕様を2001年前半にも提供する予定である。またベータ版の開発者キットは2001年初めに配布する見込み。

 Microsoft社によると,XML for Analysis仕様のレビューには50社以上の100名を超える開発者およびアーキテクトがかかわったという。これには以下の企業がある。

 Adaytum Inc., AlphaBlox Corp., Andersen Consulting, ANGOSS, Brio Technology Inc., Broadbase Software, Business Objects, Cognos Corp., Knosys Inc., Maximal Software Inc., PricewaterhouseCoopers, SAP Americas Inc., SAS Institute Inc., Seagate Software, SPSS Inc., Symmetry,Walker Interactive Systems Inc.

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