米Apple Computerが米国時間12月5日に,2000年10~12月期(同社の2001年第1四半期)の業績について,売上高が事前の予想を大幅に下回り,赤字に転落するとの見通しを発表した。

 Apple社によれば,売上高は予想を6億ドル下回る見込み。2億2500万ドルから2億5000万ドル規模の純損失を計上するという。正式な決算発表は2001年1月17日を予定している。

 「世界各地での販売不振をはじめ,販促計画が不十分だったこと,値下げなどが影響し,売上高の大幅減となった。また販売不振に関連して,予定していた部品購入を一部取りやめたことからキャンセル料の支払いが発生し,赤字転落につながった」(Apple社)。

 10~12月期の業績下方修正に伴い,2001会計年度(2000年10月~2001年9月)における通年の決算でも,売上高が60億ドルから65億ドルにとどまるとの下方修正した。2000年7~9月期の時点では,75億~80億ドルとの見通しを発表していた。

 Apple社CEO,Steve Jobs氏のコメントは以下の通り。

 「パソコン販売が市場全体で急速に落ち込んでおり,これが原因となって,Apple社の四半期決算は3年ぶりに赤字に転落する。残念である。来期は利益を上げて,持続的成長の軌道へと戻したい。現在,過剰となっているチャネル在庫を今四半期末をメドに通常のレベルまで削減するように尽力している。2001年に投入する新製品やプログラムなどは予定通りで,大いに期待している」。

 この業績下方修正を受け,Apple社の株価は米国時間6日午前に,15.8%下落して14ドル台で推移している。9月初めまで62ドルをつけていた。

 Apple社は前四半期(2000年7~9月期)にも業績の下方修正を発表しており,このときは1日で株価が27ドル余り(52%)下落した。Jobs氏は決算発表時に,「過剰チャネル在庫の削減計画を実施し,今四半期末までに通常レベルに戻す」と今期と同様のコメントを行っている。

 またこの時点で,「次の四半期(10-12月期)も再び期待にそむくことになるが,これは2001年1月期の回復に向けた計画的なもの。2001年の業績に期待している」(同氏)と説明していた。

 なお11月29日(米国時間)には,米Gatewayが2000年10~12月期の決算について警告を発している。感謝祭の消費者向けパソコンの売り上げが予想を大幅に下回ったことが原因で,売り上げと利益がアナリストの予想を下回るという声明を発表した。

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