米MP3.comが米国時間12月5日に,オンライン音楽サービス「My.MP3」を再開したことを明らかにした。My.MP3のサービスは,大手レコード会社などとの係争の関係で一時停止状態にあった。

 なお米国の主要レコード会社と,インターネット・ベンチャーの米MP3.comとのあいだで争われていた裁判の一審は9月6日に,被告MP3.comの完全敗北という形で終わっている(裁判の詳細は,「インターネット時代の著作権を問い直すMP3.com 裁判」を参照されたい)。

 My.MP3は二つの料金形態をとる。無料会員サービスは広告料を収入源とする。ユーザーは最大25枚のCDタイトルを保存することができる。有料会員サービスは年会費49ドル95セントで最大500枚のCDタイトルが保存可能。

 有料会員に対するサービスは,「基本サービスよりも機能が充実し,広告は控えめ」(MP3.com社)という。

 ユーザーはMP3.com社の無料ソフト「Beam-it」を使って所有するCDタイトルをMy.MP3のアカウントに登録し,様々なWWW対応機器からアクセスして利用することができる。またMP3.com社のサービス「Instant Listening」と提携している小売業者からオンラインでCDを購入し,即座にMy.MP3アカウントを介して楽曲を聴くことも可能である。

 My.MP3は,MP3.com社がライセンスを得た楽曲やCDをMy.MP3会員が利用する目的にで提供するものである。すでにMy.MP3のアカウントを取得しているユーザーは,既存のパスワードを流用してサービスにアクセスすることができる。かつて保存した楽曲は,これから受けるサービス(無料/有料とも)で数えるタイトル数に参入しない。なおMy.MP3では75万曲以上のオーディオ・ファイルを,現在のところ無料で提供している。

 MP3社はこの10月に,米国音楽出版協会(National Music Publisher's Association)およびその子会社Harry Fox Agency社(HFA)と,音楽コンテンツのライセンス供与を受ける契約を結ぶことを明らかにしている。MP3.com社が3年間で最高3000万ドルを,HFAを通し音楽協会が抱える25000の版権者に支払う。またSony Music EntertainmentやEMIとも和解に達している。

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