スウェーデンEricssonは現地時間12月4日に,米Intelとライセンス契約を結んだと発表した。Ericsson社のもつBluetoothのIP(Intellectual Property)をIntel社にライセンス供与する。

 契約の対象となるEricsson社のIPは,EBCP(Bluetooth Core Product from Ericsson)およびBluetooth HOST Stackから成る。EBCPとはBluetoothのベースバンド・ソフトウエア/ハードウエアのIPで,Bluetooth技術をLSIに組み込むために用いる。Bluetooth HOST Stackは,モバイル・コンピュータ,ハンドヘルド機器,携帯電話といった機器間でBluetooth通信を可能にするためのソフトウエア・スタック。

 Intel社は,このEBCPおよびBluetooth HOST Stackを同社の無線通信/コンピューティングのソリューション製品の一部として供給していく。これにより「Intel社は,広範な製品ラインアップをOEMに提供できるようになる」(Ericsson社)という。

 なおEBCPについては,Ericsson社は英ARMと提携しており,ARM社はすでに製品の開発を始めている。

 Bluetoothは,短距離通信に向く低コストの無線通信技術。2.45GHzのISM帯を使う。データ伝送速度は1Mbpsである。携帯電話,ノート・パソコン,PDAといったモバイル機器間での用途をねらう。移動したり,ポケットやブリーフケース内に機器あっても通信できるようにする。

 1998年に米IBM,米Intel,フィンランドNokia,東芝,スウェーデンのEricssonがBluetoothの標準化団体「Bluetooth Special interest Group(SIG)」を立ち上げた。のちに,米Lucent Technologiesも参加している(「BluetoothのSIGのコア・メンバにMicrosoft,Lucentなどが参加」)。

 米Cahners In-Stat Groupによれば,「Bluetooth対応機器市場は,2005年までに出荷台数ベースで10億台を突破する規模に成長する」という。米Allied Businessは, 「2005年におけるBluetooth対応機器の出荷台数は14億台超」との予測を発表している。

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