米Motorolaとセガ(旧社名:セガ・エンタープライゼス)が,Motorola社の次世代携帯電話機向けのゲーム開発に関して提携する。Motorola社とセガが合意に達したことを米国時間11月29日に明らかにした。

 Motorola社は現在,同社が「multiple communication phone」と表現するモバイル・コンピューティングの機能を備えた次世代携帯電話機を開発中である。これはJ2ME対応の携帯電話機で,プラットフォームは「iDEN(Integrated Digital Enhanced Network)」と呼ぶデジタル電話方式を採用する。iDENは,無線電話に加え,双方向ラジオ,テキスト・ページャ,インターネットの常時接続,電子メールの送受信,無線モデムなどの機能を手のひらサイズのハンドセットに組み込む。

 この電話機では,ユーザーがインターネットを介してゲームなどのアプリケーションをダウンロード/インストールすることが可能。セガはこの電話機の特定機種向けにゲームを開発・供給する。今回Motorola社とセガが結んだ契約の下,当初出荷分の電話機に,セガのパズル・ゲーム「Borkov」がプリ・インストールされる。

 電話機は,「高解像度のディスプレイとグラフィックス機能を備え,ゲームを楽しむには最適」(両社)という。

 Motorola社の新たな電話機は2001年前半にも利用可能になる。iDEN事業者の米Nextel Communications,米Southern LINC,カナダClearnet Communicationsを通じて市場に登場する予定である。

 なお,セガのMotorola社へのコンテンツ提供に関する提携の発表はこれが初めてではない。Motorola社は今年6月に,携帯電話やページャ,PDA向け無線エンターテインメント・ソフトウエアの開発に関して,セガと提携すると発表していた。

 また今回の提携は,セガの新経営戦略であるコンテンツ戦略に沿ったものとなる。セガのコンテンツ戦略とは「自社の資産をさまざまなプラットフォームへ展開することで,より幅広い層にセガのコンテンツを利用してもらう」(同社)こと。セガは今年11月21日にも,シャープの携帯情報端末「ザウルス」向けコンテンツの開発・供給について明らかにしている(発表資料)。


◎関連記事
MotorolaがJ2ME対応の携帯電話を発表,ケータイ向けゲームでセガと提携
米モトローラがJava対応の携帯電話向けアプリ開発者への支援措置を発表

[発表資料へ]