「オンライン・ショッピングの利用者が過去12カ月間にオンライン・ショッピングで使った金額は平均896ドル」。米Ernst & Youngが米国時間11月28日にオンライン・ショッピングに関する調査結果を発表した。
同社が世界12カ国7000人のネット・ユーザーを対象に実施した調査結果のうち，米国の1400人からの回答をまとめたもの。
ホリデイ・シーズンの買い物全体のうち，オンラインで購入予定の割合は29％。1999年の16％から13ポイントの増加となった。「買い物全体の半分以上がオンライン・ショッピング」との回答も20％にのぼり，1999年の9％から大きく伸びている。一方で，「オンライン・ショッピングの予定は全くなし」との回答は，1999年の40％から今回の調査では13％に大きく減った。
「2000年通年の米国小売店によるオンライン販売は，総額380億ドル規模になる見込み。これには旅行関連や自動車販売を含まない。このうちホリデイ・シーズンでの売上高が約110億ドルになる」（Ernst & Young社Global DirectorのStephanie Shern氏）。
今年のホリデイ・シーズンには，1999年にオンライン販売を行っていなかった企業群が新たに参戦しているとErnst & Young社は指摘する。「高級デパートの米Neiman-Marcus，米Saks Fifth Avenue，デパートの米Nordstrom，米Macy's，量販店の米Target，米Wal-Martなど，既存の小売店がオンライン販売を拡充している。今年はユーザーが，eブランドのショップを敬遠して，複数の販売チャンネルを持つ既存の有名店を好む傾向がある」（Ernst & Young社）という。
調査結果によると，「人気ショッピング・サイト」の第1位はオンライン・ショップの米Amazon.comが獲得したが，2位以下ではデパートの米JCPenny.comや量販店の米WalMart.com，家電量販店の米BestBuy.comなどの既存の小売店事業者がシェアを大きく伸ばし，順位を上げている。詳しい調査結果は以下の通り。
■表1 過去12カ月間におけるオンライン・ショッピングの人気WWWサイト（米国企業のみ）1) Amazon.com
2) Barnes&Noble.com
3) Ebay.com
4) JCPenney.com
5) Cdnow.com
6) Drugstore.com
7) Fingerhut.com
8) ToysRUs.com
9) PlaneTix.com
10) Disney.com
11) Walmart.com
12) QVC.com
13) Bestbuy.com
14) Cyberate.com
15) 1800flowers.com出典： Ernst & Young社
また購入する製品別でみると，ネット・ユーザーが買い物をするカテゴリは以前に比べ広がりをみせているという。これまでのトップ・カテゴリ「書籍」「コンピュータ」「CD」に加え，今年は「アパレル」「医療・健康および美容関連」などの回答も目立った。特にアパレルは，玩具の28％を抜いて37％と大きく伸びている。
詳しい調査結果は以下の通り。
■表2 過去12カ月間におけるオンライン・ショッピングの購入品目別一覧・書籍（52％）
・CDなど音楽関連（49％）
・コンピュータ（49％）
・アパレル（37％）
・チケット（29％）
・予約（29％）
・玩具（28％）
・民生機器（28％）
・医療・健康および美容関連（25％）出典： Ernst & Young社
オンライン・ショッピングの利点については，1999年の回答とほぼ同様の内容。1999年と同程度のショッピングをする，もしくは利用を増やすと回答をした人は，利点として以下の点を挙げている。
・時間が節約できる（62％）
・混雑した店内に行きたくない（56％）
・買い物をする時間帯が好都合（50％）
・車を運転しなくてすむ（45％）
◎関連記事
■年末商戦，愛する人には携帯電話やデジカメを贈る---なぜか米TIの調査
■「米国学生の一番欲しいモノは，ダントツで携帯電話」---米社の調査
■今年のホリデー・シーズンのネット売り上げは125億ドル---NPD Groupの調査
■2000年の年末商戦，オンライン販売の売り上げは昨年比2倍の114億ドル
■2000年の年末商戦，北米では5500万人がネット通販の利用を予定
■2000年の年末商戦，米国消費者のオンライン支出は120億ドル---米Jupiter
■今年のクリスマス商戦のネット売り上げは世界で195億ドル，前年比85%増に
■【TechWeb特約】何とAmazon.comのサイトがダウン，1年で最も忙しい日に30分間
