米E-Stampが米国時間11月27日に,インターネットを介した電子切手発行サービス事業から段階的に撤退すると発表した。これに伴い全従業員の30%を削減する計画も明らかにした。

 これまでの業績が計画を下回っていたことから,さまざまな策を検討していたが,同事業からの撤退が株主にとって最も良い策という結論に至ったという。

 E-Stamp社のインターネットを使った電子切手サービス「E-Stamp Internet Postage」は,1999年8月に米国郵政省(US Postal Office)から認可を受け,販売を行っていた。ユーザーがインターネットを使って切手を購入,ダウンロードし,手持ちのプリンタを使って封書やハガキに印刷するというサービスであった。

 E-Stamp社は11月24日付けで同サービスの導入に必要なスタータ・キットの出荷を取りやめている。スタータ・キットの販売は12月31日まで,切手の返金に応じるなどの顧客サポートは2001年3月1日までは続けるとしている。

 なお同社は2000年5月にロジスティクス企業2社(米Infinity Logisticsと米Automated Logistics)を買収しており,今後はこちらの市場に注力するという。この買収に伴い,E-Stamp社はInfinityの企業向け輸送ソリューションのWWWサイト「DigitalShipper.com」と倉庫管理システム(WMS)の「e-Warehouse」などを取得している。「今後は資源の配置転換を行い,これらのロジスティクス・ソリューションを,より大きな市場に向ける」(E-Stamp)とする。

 またE-Stampはすでに顧客に対して書簡を送っており,計画の詳細とこれまでの感謝の意を伝えたという。この計画に伴い,同社はかつてのライバルであるNeopost Online社と提携した。Neopostのサービスである「Simply Postage」への移行を促すというもので,E-Stampの顧客はNeopostの特価サービスを受けられるようにする。

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