「携帯電話の加入者数は,第3世代への移行もあいまって,世界規模で急速に増大する。これが今後数年間にわたり,無線トランシーバの基地局(BST:Base Station)向け半導体市場に活況をもたらす」。米Cahners In-Stat Groupが米国時間11月21日に調査結果を発表した。

 In-Stat社によれば,無線BST向け半導体市場は,2000年から2004年にかけて年平均成長率25%で拡大するという。1999年における同市場の売上高は56億ドルで,2004年には90億ドル規模に成長すると予測している。

 「無線キャリアは,今後数年間で次世代のインフラ投資に関し,難しい選択を迫られる。欧州では,GSMとW-CDMAとの間を埋める最適なオプションとしてGPRSが勃興している。アジアでは,既設のネットワークの容量がほぼ限界に達している状態で,第3世代への移行は必須の状態。米国では,現在3種類の異なるインタフェースが利用されており,キャリアは第3世代へ移行するかどうかに加え,移行の際の方式についても決定しなければならない。しかし,このように混沌とした状態ではあるにせよ,無線インフラ市場は成長を持続し,BTS向け半導体の需要を押し上げることになる」(In-Stat社上級アナリストのAllen Nogee氏)。

 その他の調査結果は以下の通り。
・BST向け半導体市場の中で最も大きなシェアを持つのは電力増幅器(PA:Power Amplifier)のカテゴリ。これにラジオのフロント・エンド処理,変調・復調,信号処理のカテゴリが続く。
・2000年の市場シェアを通信制御方式別でみると,売上高ベースでGSMが全体の52%を占めて首位に立つ。CDMAは35%,TDMA10%,PDC3%。2004年には,GSMとCDMAがともに44%のシェアで互角となる。

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[発表資料]