フィンランドのNokiaが現地時間11月21日に,次世代インターネット・プロトコルIPv6(Internet Protocol version 6)に対応したエンド・ツー・エンドのGPRSネットワークを発表した。「IPv6対応GPRSネットワークの提供は当社が世界で初めて」(Nokia社)。

 IPv6はIPv4と比べアドレス空間を飛躍的に拡張するほか,セキュリティ機能を導入,機能の拡張性や柔軟性なども大幅に向上させている。

 「モバイル・インターネット・サービスは,WWW閲覧や電子メールなど従来型のサービスと比べ,双方向性やカスタマイズ機能などを向上する必要がある。ネットワーク事業者などは,モバイル・インターネット・ネットワークをIPv6対応とすることで,需要に合わせたサービスの提供など柔軟性を高めることが可能となる」(Nokia社)。

 Nokia社によれば,IPv4ベースのサービスからの移行期間はIPv4とIPv6の両方利用可能なので,ネットワーク事業者はスムーズにサービスの移行を進めることができるという。

 IPv6は第3世代(3G)システムの中核となる技術で,次世代移動通信システム「IMT-2000」の標準規格策定を進める3GPP(Third Generation Partnership Project)は,次世代モバイル・ネットワークの基本プロトコルとしてIPv6の採用をすでに決めている。

 Nokia社は,既存の環境へGPRSネットワークを組み込むためのアプリケーション・サービスやシステム・インテグレーションなどのGPRSソリューションを提供する。現在欧州,米国,アジアの各地に50以上のGPRSネットワークを構築している。「モバイル通信事業者としては,当社のGPRSネットワークが最大規模」(Nokia社)という。

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[発表資料]