オランダRoyal Philips Electronicsの米国子会社U.S.Philips社や松下電器産業などが,ビデオ圧縮技術MPEG-2に関する特許侵害で,米Compaq Computerをデラウエア州の連邦地裁に提訴した。

 MPEG-2技術のライセンス管理会社である米MPEG LA LLCが米国時間11月20日に明らかにしたもの。ドイツのデュッセルドルフ(Dusseldorf)の地裁にも同様の提訴を行ったという。

 提訴したのは,Philips社と松下のほか,米General Instrument,三菱電機,日本ビクター,仏France Telecom,米コロンビア大学の知的財産権管理会社(Trustee)の計7社/機関。いずれもMPEG LA社のライセンス・プログラム「MPEG-2 Patent Portfolio License」の参加企業である。

 同プログラムでは,多数の企業が保有する様々な特許技術をカバーし,デジタル・ビデオ圧縮技術のMPEG-2技術に関してワンストップでのライセンス供与を行っている。7社は,Compaq社がMPEG-2に関する26の特許技術を侵害しているとして,数億ドル規模の損害賠償を求めている。

 訴状によれば,Compqa社はMPEG LA社とライセンス契約を結ばずに,MPEG技術を利用した機器などを自社のパソコンに組み込み,製造・販売しているという。

 「Compaq社は,自社の製品がMPEG-2と互換性を持つと広告やプロモーションを展開している。製品の販売やトレーニング・サービスなどで,顧客に対してもMPEG-2ビデオ復号化に関する特許侵害行為を促している」(MPEG LA社)。

 MPEG-2技術は,1995年に国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)と国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)で正式に承認され,1997年にライセンスの提供を始めた。MPEG LA社のライセンス・プログラムには,現在250以上の企業・団体等が参加している。1997年に米司法省から,1998年には欧州委員会(European Commission:EC)からの認定も受けている。

[発表資料]