米eMarketerは米国時間6月20日,オンライン広告の市場調査結果を発表した。調査結果によれば,米国におけるWeb広告の支出額は,2000年末に60億ドルに達する見込み。これは1999年の36億ドルに比べると69%の増加になるという。また2004年のオンライン市場は2000年の3.5倍に拡大し210億ドル規模になるとみる。

 オンライン広告市場はここ2年間,急速に成長してきた。ただし,今後は成長速度がこれまでよりは遅まる傾向にあるとeMarketer社は指摘。市場の成長率に影響を与える要因として以下の3点を挙げた。

  • 広告サービス提供事業者や広告代理店が広告効果の測定や評価基準,投資回収率 (ROI),プライバシといった重要な問題を今後もぞんざいに扱い続ける。

  • Webによる広告宣伝活動は多数の消費者を顧客として抱える大規模企業に受け入れられ,予算に見合った戦略広告として使われるようになること。

  • オンライン広告サービス提供事業者が,目先の評価尺度による広告効果達成に今後も追われる。

     その他の主な調査結果は以下の通り。

    ・世界のオンライン広告支出において米国市場の優勢は弱まり,欧州が次の開拓市場となる。

    ・2003年末には,バナー広告はWWW広告売り上げの41%までシェアを縮小し,戦略的スポ ンサーシップ広告が30%のシェアを獲得する。

    ・Webによる広告収入をねらった世界的競争はWWWコンテンツ・プロバイダや出版業で激化しする。

    ・2000年末には,上位10までのWWWサイトが広告収入全体の76%を創出するようになる。現在は,上位50のWWWサイトが全体の95%を占めている。

  • www.businesswire.comに掲載の関連資料