米Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は米国時間11月13日,ラスベガスのCOMDEX/Fall 2000会場で基調講演を行い,現在開発中のノートパッド型パソコン「Tablet PC」のプロトタイプを披露した。

 Tablet PCは,パソコンの設計手法と機能について,「大きな飛躍」と同社が位置づける製品。OSにはWindowsを採用し,Windowsのフル機能および既存のWindows向けソフトウエアが利用できるパソコンである。ユーザが日常的に使うメイン・パソコンとしの利用を想定している。ペン入力が可能で,会議中のメモ書き,電子文書やプレゼンテーション画面への注釈付けなど,これまでパソコンでは応えられなかったニーズに取り組んだという。「企業コンピューティングの環境を拡張するもの」(同氏)とする。

 企業内で利用するメリットとして同氏は以下の特徴を挙げている。

・すべてのWindowsベースのアプリケーションでペン入力を可能にする。 ・Microsoft Officeでは,手書き文字の入力,レイアウトの変更,編集などを素早く行え,一枚の紙のように機能する。

 Tablet PCはOEMによる供給を想定した製品で,Gates氏は机上での利用に向けてキーボードや大画面モニタと接続できるドッキング・ハードウエアなどとの組み合わせを期待しているという。OEMにより筐体の寸法やデザインは異なるが,ブリーフケースや書類ばさみにすっぽりと入り,片手で持ち運べる紙のタブレットように,薄型で軽量なものになる,としている。

 Tablet PC仕様の概要については以下の内容を明らかにしている。

・x86アーキテクチャを採用 ・高解像度・低消費電力の液晶ディスプレイ ・効率の良い電池利用 ・無線接続

 ただしGates氏はOEMの企業名,見込み価格,出荷時期などの詳細については明らかにしていない。「今後Tablet PCに関する多くの新情報を提供できると期待している」と述べるにとどまった。

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