英Symbianが英国時間11月6日に,ロンドンで開催中の「Symbian Developer Expo」で,次世代携帯電話向けのソフトウエア・プラットフォーム「Symbian 6.0」を発表した。
Symbian社は,スウェーデンのEricsson, 松下電器産業, 米Motorola, フィンランドのNokia,英Psionが株式を保有する合弁会社。Symbian 6.0は,ペン入力やキーボード入力に対応するなどの特徴を備える。すでに数社の携帯電話機メーカにライセンス供与しているという。Symbian 6.0搭載機は,2001年前半に市場に登場する予定である。
Symbian 6.0の主な特徴は以下の通り。
・音声通話とデータ通信に対応
・BluetoothやWAPに対応
・セキュリティ機能(SSL, HTTPS, WTLS)の装備
・16ビットのUnicodeを採用し,複数言語表示に対応
・「PersonalJava 3.0」「JavaPhone 1.0」を採用
Symbian社は参照デザインを提供する。参照デザインは,OS「EPOC」,データ管理,通信,グラフィックス,マルチメディア処理,セキュリティ,アプリケーション・エンジン,メッセージング・エンジン,WAPやHTMLに対応したブラウザ・エンジン,Javaランタイム環境などから成る。
Symbian社は次の二つの参照デザインを同日発表した。
・Crystal(開発コード名):キーボード操作の端末向け。カラー・ディスプレイ(640x200画素),キーボード操作機能,グラフィカル・ユーザ・インタフェースを備えた携帯電話機を対象にする。
・Quartz(開発コード名):タブレット操作の端末向け。今年はじめにプレビューを行った。カラー・ディスプレイ(240x320画素),ペン操作機能,グラフィカル・ユーザ・インタフェースを備えた携帯電話機を対象にする。
またSymbian社は,Nokia社からWAPブラウザのライセンス供与を受けることも明らかにした。Symbian社はNokia社のブラウザ技術を自社のソフトウエア・プラットフォームに組み込む。Nokia社はSymbian社にソース・コードを提供する。
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