広帯域通信ICベンダーの米Broadcomが米国時間11月6日に，通信プロセサLSIベンダーの米SiByteを買収することで，両社が最終合意したことを明らかにした。買収金額は20億ドル。
Broadcom社の企業買収は今年に入ってこれで11件目となる。10月17日にも，ネットワーク通信向けLSIベンダーの米Allayer Communicationsの買収を発表している。
Broadcom社は，SiByte社の買収によってIP（Internet Protocol）スイッチやDSP（Digital Signal Processor），IPセキュリティ・ソリューション事業を補完する。SiByte社の製品は，1.0Gbpsから最大40Gbps（OC-768）までの通信速度に対応している。LAN，WAN，MAN（Metropolitan Area Network）やVoIP（Voice over Internet Protocol）のゲートウエイ，光ネットワーク，無線ネットワークといった用途に向ける。
SiByte社は，通信プロセサ「Mercurian」を製品ラインアップにもつ。Mercurianの中核となるCPUコア「SB-1」は，MIPSアーキテクチャに準拠する。動作周波数は最大1.0GHz。1GHz時の性能は2200MIPS（Dhryston 2.1で計測）を超えるという。消費電力は2.5W以下である。
またSiByte社は10月に，「Mercurian」ブランドの最初の製品「SB-1250」を発表している。1チップに二つの「SB-1」を集積する。性能は最大4400MIPS。OC-3（100Mbps）やOC-48（2.5Gbps)の光ネットワークなどに向ける。サンプル出荷を2001年の前半に予定している。
SiByte社は，米Digital Equipmentで「StrongARM」を担当していた技術者などが設立したベンチャー企業。シリコンバレーに拠点を置き，従業員は120名。
買収は株式交換により行い，Broadcom社が最大930万株を発行してSiByte社の全株式を取得する。SiByte社の今後の業績に応じて180万株を追加発行する。この買収について，両社の役員会ですでに了承されており，買収手続きの完了は60日以内を予定している。
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[Broadcom社の発表資料]
[SiByte社の発表資料]
