ドイツのBertelsmann AGと米Napsterが米国時間10月31日に,個人間のファイル交換サービスで提携関係に入ったと発表した。Napster社に対する訴訟は取り下げる。

 Bertelsmann社の電子商取引事業Bertelsmann eCommerce Group (BeCG)とNapster社が構築した新たなビジネス・モデルをもとに,Napsterコミュニティのメンバーに向けた会員制ファイル交換サービスを展開する。このサービスでは,アーティスト,作詞/作曲者,レコード会社,楽曲パブリッシャなどに著作権使用料を支払う。

 インターネット版ニューヨーク・タイムズによると,会員制のサービスは「無料のコンポーネントに加え,有料の付加価値サービスを組み込む形態になる」(Napster社のCEO,Hank Barry氏)という。

 この提携のもと,Napster社が新たな会員制サービスを立ち上げたのち,Bertelsmann社の音楽事業部門BMGはNapster社に対して起こしていた訴訟を取り下げ,自社の音楽カタログを新サービスで利用可能にする。

 BeCGはNapster社に新サービス構築のために資金を提供し,またNapster社株の購入権を取得する。具体的な株数などは明らかにしていない。

 「Napster社は音楽配信における新たな方向を示した。これが音楽産業の将来に向けた新たなビジネス・モデルの基礎を形成すると我々は確信する」(Bertelsmann社会長兼CEOのThomas Middelhoff氏)。

 「Bertelsmann社との戦略的提携は,Napster社にとって正しいステップである」(Napster社CEOのHank Barry氏)。

 Napster社とBertelsmann社は,他の音楽産業会社に対して,新サービスへの支援と参加を呼びかけていく。

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