米Sun Microsystemsは無線インターネット市場に向けた戦略を米国時間10月30日に発表した。「有線におけるSun社のインターネット技術を強化し,これを急速に拡大する無線WWWインフラ市場に向ける」(同社)。

 Sun社が同日発表した施策,製品,サービス,プログラムの概要は以下の通り。

・新たな事業部門を立ち上げる。2001年はじめにもスウェーデン,ストックホルムに「Wireless Excellence Center」を開設する。ここで世界のキャリア,ネットワーク機器ベンダ,ISV(independent software vendor)と協力し無線ソリューションの設計,開発,ポーティングなどに取り組む。

 また同社の顧客トレーニング/サポート・サービスに新たに二つのサービスを加える。すなわち無線サービス・プロバイダに向けた「Wireless Service Provider Practice」およびJava技術の普及に向けた「Java Pervasive Technologies Practice」である。

・無線技術を使った事業展開を促進する取り組み「iForce Wirelessイニシアチブ」の一環として,合計50社の無線向けソフトウエア/アプリケーション/コンテンツ・プロバイダと協力する。これにより無線向けサービス/ソリューションの市場投入を促進する。さらにiForce WirelessイニシアチブのWWWサイト(http://www.sun.com/iforce/wireless)を立ち上げた。顧客がベンダの製品やサービスなどを一元的に評価できるようにする。

・無線関連企業を支援する取り組みの一環として,今年から来年にかけて総額1億ドルの投資を行う。Sun社は現在,無線ソリューション開発のGraviton社,Everypath社,WhereNet社,Nuance社などの企業に投資を行っている。今後はこれを拡大し,ロケーション・サービス,ストリーミング・ビデオ,セキュリティといった分野の無線技術開発企業にも向ける。

・通信向けサーバー・プラットフォーム「iPlanet Communications Platform」に新たに「iPlanet Intelligent Communications Platform」を加える。これは無線サービスを運用する企業に向けたソフトウエア・プラットフォームである。オークションの状況を携帯電話に伝えたり,予定表の変更をページャに伝えるといったサービスが可能になる。iPlanet Intelligent Communications Platformは最新のiPlanetサーバー製品(メッセージング,カレンダ,無線,ディレクトリ)上に構築できる。

・同社は今年9月19日に無線端末向けJava技術「Mobile Information Device(MID)Profile」をリリースしているが,これらのJava技術が次世代移動通信システムの標準化プロジェクト「3GPP(3rd Generation Partnership Project)」に採用されたことを明らかにした。これにより,以下の企業がJava技術を使った無線サービスの開発や運営を始めるという。Far EasTone,富士通, LG Telecom, 松下電器, 三菱電機, Motorola, NEC, Nokia, NTTドコモ, One 2 One, Research In Motion, Siemens, ソニー, SmarTone, Symbian,Telefonica。

・第3世代無線ネットワーク市場への取り組みとしてのUltraSPARC IIやUltraSPARC III搭載システムや製品への投資を今後も継続していく。また同社サーバ「Netra」にcompact PCI (cPCI)技術を取り入れることも明らかにし,デモを行った。

・このほか同社のQoS(Quality of Service)保証プログラム「SunTone」への参加企業が増え,この取り組みの「勢い」が続いているなどと発表した。

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