米Microsoftの社内コンピュータ・ネットワークに不正な侵入行為があり,開発中の製品のソース・コードが盗まれたとされる事件に関して,米Computer Associates International(CA)は米国時間10月27日に,ハッカーは「Qaz.Trojan」と呼ぶワームを使って侵入行為を行ったと発表した。

 同社によると,Qaz.Trojanは電子メールを介して感染するのではなく,ネットワークの共有ドライブを利用しコンピュータ間を移動する。通常はWindowsアプリケーションの「Notepad」になりすます。潜り込ませたQaz.Trojanによって侵入者は,コンピュータを遠隔操作できるようになる。これによって,機密ファイルやパスワードといった重要な情報が盗まれてしまうという。

 同社では,今回の事件によって,ウイルス対策に関する情報を最新のものにしておく必要性が改めて強調されたとしている。

 なおCA社のウイルス対策ソフト「InoculateIT」では今年の8月からQaz.Trojanワームへの対策を施しているという。また同社ではこのソフトの個人向け版「InoculateIT PE(Personal Edition)」を無償配布しており,こちらでもQaz.Trojanワームに対応可能としている。

◎関連記事
【TechWeb特約】米マイクロソフトの社内ネットへの不正アクセスを憂慮する
IT業界を揺るがすMicrosoft社の社内ネットワーク・ハッキング事件
「WindowsやOfficeは無事」,社内ネットへのハッカー侵入で米マイクロソフト
Windowsの「メモ帳」になりすますウイルスにアンチウイルス・ベンダーが再警告

[発表資料へ]