米America Online(AOL)が米国時間10月25日に,同社が提供するサービスにアクセスするためのソフトの新版「AOL 6.0」をリリースしたことを明らかにした。WWWサイト「AOL Anywhere Web」を新設したことも発表した。

 「AOL Anywhere Web」はAOLの無線サービスへのアクセスを提供するもの。AOLサービスで提供する機能やニュース,各種情報などがモバイル環境などでも利用できる。「パソコン,携帯電話,携帯情報端末,AOL TVなどあらゆる端末から容易にアクセス可能」(AOL社)。

 「AOL 6.0」では主にインターネットでの使い勝手を高めた。主な新機能は以下の通り。

・電子メールでのHTML機能を拡充し,グラフィックスを強化した。また,ファイル添付の操作やメール・ボックスのソート機能の簡易化を行った。送信先などアドレスの入力にオートコンプリート機能を追加した。つまり宛先のアルファベットを頭から2~3文字入力すれば該当する名前やアドレスが表示される。

・「AOL Calendar」をオフラインでもアクセスできるようにした。

・「Groups@AOL」に,あらかじめ決められた人だけがアクセスできるWWWサイトの開設機能を加えた。イベントの計画や家族・友人での写真の共有などに向ける。

・インスタント・メッセージング・サービスでは,「Buddy List」の情報をドラッグ&ドロップできるようにした。新しいアイコン「Buddy Icon」を追加し,見た目にインパクトを持たせた。また,やり取りを断る「Away」(来ないで),「Do Not Disturb」(ご遠慮下さい)といった簡易メッセージの自動送信機能も加えた。

・オンライン・ショッピング向け「AOL Shopping Assistant」機能を用意,電子商取引サイトで価格の比較情報や顧客満足のレビューなどを表示する。

・「My Place」にオプションを追加,AOL Welcome Screenをカスタマイズ機能を拡張。

・印刷機能の拡張

・コンテンツの拡充。自動車,住宅,育児関連など。

 米Barnes & Norbleなど書店,米Circuit Cityなど家電量販店,米Office Depotなど文具小売店,米Searsなどデパート,Targetなどスーパーマーケットなど,全米50以上の店頭でAOL 6.0を配布する。また,TVコマーシャルにも数百万ドル規模の予算を充てているほか,雑誌の誌面でも大々的な広告展開を行う。

 米国以外の市場については,英国,カナダ,ブラジル,オーストラリア,フランス,ドイツ,日本の各市場で,今後2~3カ月以内にリリースの予定。

 また衛星を使った広帯域サービス・プロバイダの米Hughes Network Systemが同日,「AOL PLUS Powered by DirecPC」の提供を始めたことを明らかにした。AOL社と提携し,衛星通信サービス「DirecPC」とAOLサービスを組み合わせた。データ転送速度が最高400KbpsのUSB対応衛星通信モデムを提供する。

 利用料金は月額19ドル95セント。衛星通信用アンテナ「DirecDuo」とUSBモデムの購入が必要で,両方合わせて149ドル。このほか,DirecDuoとDIRECTVサービスをまとめたセットを199ドルで提供する。「AOL PLUS」の販促キャンペーンとして,2001年1月15日までインストール料金を無料である。

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[AOL社の発表資料1]

[AOL社の発表資料2]

[Hughes社の発表資料]