米Cahners In-Statが米国時間7月24日に,2000年第1四半期の家庭内ネットワーク機器市場を調査した結果を明らかにした。市場規模は5800万ドルだった。

 ノード・ベースの出荷数は減少したが,売上高でみると約10%増を記録した。これは,製品構成が単価の高い無線ネットワーク機器にシフトしたためである。家庭向け無線ネットワーク機器に強い米Lucent Technologiesや,米Proxim,米SOHOwareなどが売り上げを伸ばした。

逆に既設の電話線をベースにした家庭内ネットワーク機器は予想外に伸びなかった。有力ベンダである米Intelや米3Comも,無線への準備を進めている。このほかの注目株としてIn-Stat社は,電源線を用いた家庭内ネットワークを挙げた。電源線を介した家庭内ネットワークでは,家庭内の既設のコンセントに電源プラグを差し込むだけでLANを構築できる。他の方式と異なり配線の手間が要らない。コストも低く,インストールや接続も容易という利点がある。

 なお家庭内ネットワークには以下のような標準仕様が存在する。既設の電話線を用いるタイプはHomePNA。無線利用がHomeRF,電源線利用のHomePlugである。データ伝送速度は,HomePNAが10Mビット/秒(HomePNA2.0の場合),HomeRFが1.6Mビット/秒,HomePlugが10Mビット/秒。

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