2005年に24億ドル規模になるともいわれる家庭内ネットワークに向けた標準化に熱が入ってきた。

 米国時間5月17日には民生機器の業界団体Consumer Electronics Association (CEA)が,既設の電源ラインを用いた家庭内ネットワークを2001年1月1日までに標準化することを明らかにした。4月には米Cisco Systemsや米3Com,米Intel,米Compaq Computerなど13社が,同様の標準化を行う業界団体「HomePlug Powerline Alliance」を設立しており,21世紀の巨大市場に向けた動きが活発化している。HomePlug Powerline Allianceは,対応製品の第1弾が2000年末までに登場すると見ている。

 家庭内ネットワークの市場調査にはさまざまある。たとえば米ABI(Allied Business Intelligence)は1999年に1億3400万ドルだった市場が,2000年に4億9500万ドル,2005年には24億ドル規模に達すると予測している。99年における家庭内LAN機器の出荷台数の77%が電話線利用だったが,今後は無線や電源線を使ったものが台頭するとみる。

 電源線を介した家庭内ネットワークでは,既設のコンセントに電源プラグを差し込むだけでLANを構築できる。ほとんどの部屋に一つは設置されているコンセントを利用できるので,他の方式と異なり配線の手間が要らない。コストも低く,インストールや接続も容易という利点がある。

 CEAは現在,Home Networking Committee(R7)と呼ぶ委員会のなかに検討部会(Data Networking Subcommittee:R7.3)を設けて標準化を進めている。所定の時間内にデータが送れないと「ぎこちなくなる」などの弊害が生じるアイソクロナス・データ(動画や音声など)と,ファイル転送などリアルタイム性をさほど必要としないデータの両方を扱える標準仕様の策定を目指す。

 なおCEAは米国電子工業界EIA(Electronic Industries Association)傘下の組織。600社以上の企業が参加する。家電メーカのほか,3Com,Apple Computer,Cisco Systems,Compaq Computer,Gateway,Hewlett-Paclard,IBM,Intel,MicrosoftといったIT業界の大所が顔を揃えている。HomePlug Powerline Allianceに参画しているベンダも多い。

■海外で発表されたニュース・リリースの抜粋を速報体制で制作しています。あくまで抜粋ですので,内容などにつきましては必ず文末にある「発表資料」へのリンクでご確認下さい。

[発表資料]