「世界の半導体市場で成長著しいのは,IP(intellectual property)の分野である」。米Gartner Group Dataquestが半導体IPの世界市場を調査した結果を,英国時間10月23日に発表した。
市場規模は1999年の4億4200万ドルから2004年には29億4000万ドルへと急拡大する。2000年の世界半導体IP市場は,売上高で6億2000万ドルの規模になると見積もる。
「IPは半導体設計データを再利用するための鍵となる技術。まだ市場は新しいが,英ARMや米MIPS Technologies,米Rambusといった大手半導体IPベンダーの存在しない半導体産業は想像しがたい」(Dataquest社の主席アナリスト,Jim Tully氏)。
半導体IPは電子回路の機能ブロック(コア)の設計データをライブラリ化したもの。機能ブロックには,カウンタやマルチプレクサのような小規模のものから,マイクロプロセサやDSP(Digital Signal Processor)といった規模の大きいもの,メモリなどがある。なかでもマイクロプロセサやバス・インタフェースのIPは,2004年までに市場を席巻するようになるとDataquest社は分析する。
現在のIP市場はまだ発展途上で,ベンダーが参入と退出を繰り返している段階である。また新規参入者の多くがデザインハウス(IPの設計を専門に行う企業)だが,これらの多くがIP事業が既存の設計サービスと大きく異なることに気づき,また自社の能力を超えているなどの理由で市場から撤退していく。
「ASICやASSPのベンダー,またはOEMメーカーなどが他のIP企業を買収する動きが起こるだろう」(Tully氏)。
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