米IBMが米国時間10月23日に,アプライアンス・サーバー(単機能サーバー)「xSeries」と「iSeries」の新製品を発表した。同社の「eServer」シリーズ系列の製品である。

 eServerは,IBM社のサーバーのブランドを統一したもの。最上級の「zSeries」をはじめ,大規模向け高性能サーバー「pSeries」,中規模向け「iSeries」,x86ベースの低価格サーバー「xSeries」の4種がある。今回発表した「xSeries」と「iSeries」の新製品の詳細は以下の通り。

・「xSeries 130」(OS:Windows)および「xSeries 135」(OS:Linux)
 WWWホスティング向け。筐体は厚さ1U(44mm)のラックマウント型。x130はコンテンツのキャッシングなどでシステム性能の向上を図る「Web Server Accelerator」と呼ぶソフトウエアを組み込む。「x135」はApacheベースの「IBM HTTP Server」を搭載している。

・「xSeries 150」
 ストレージ・サーバー向け。最大1.7Tバイトの容量に対応する。スループットは44Mバイト/秒。タワー型とラックマウント型を用意する。「Active Directory」やDFS環境に対応している。

・「iSeries 400 model 270」「iSeries 400 model 820」
 Lotus Domino向けの単機能サーバー。中小企業に向けた製品である。タワー型とラックマウント型を用意する。1プロセサまたは2プロセサ構成で5000人程度のユーザ数に対応し,最大4プロセサ構成が可能なシステムでは1万人までにカバーできる。

 なお米IDC(International Data Corporation)の調査報告によれば,サーバー機市場は2004年に110億ドル規模に成長するという。

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[発表資料]


IT Pro注:厳密には,このWebホスティング・サーバー用のx-130(Windows)とx-135(Linux),ストレージ・サーバー用のx-150,Dominoサーバー用のi-270とi-820の5モデルとも,すでに米IBMの10月3日の「eserver」発表の際の資料(Announcement Letter)の中に登場している。IBMが10月23日付けで,改めて発表リリースを流したものである。上の「IBM,次世代ハイエンド・サーバー・シリーズ「eServer」を発表」の参考資料1を参照されたい。
 また日本IBMでも,x-130,135,x-150は10月4日付けで開発意向表明ずみ,i-270とi-820(9406-270/820)は発表・出荷ずみ。
 さらにこのi-270とi-820は,6月13日付けで「AS/400eドミノ専用サーバーの追加機種」として発表したものを,10月に名称変更したものである)

[参考資料1] (日本IBMの10月4日付け発表レター「IBM eserver xSeries 130/135 - Webアプライアンス・サーバーの開発意向表明の発表」)
[参考資料2] (日本IBMの10月4日付け発表レター「IBM eserver xSeries 150 - NASアプライアンス・サーバーの開発意向表明の発表」)
[参考資料3] (日本IBMの10月4日付け発表レター「IBM eserver iSeries 400の発表」)
[参考資料4] (日本IBMの6月13日付け発表レター「AS/400eドミノ専用サーバー(モデル270および820)の発表」)

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