独SAP AGが米国時間10月19日,2000年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。売上高は,前年同期比27%増の14億2000万ユーロ。前年同期は11億2000万ユーロだった。純利益は同96%増の8800万ユーロ。前年同期は4500万ユーロだった。1株あたりの利益は同100%増の28ペニヒ(0.28ユーロ)となった。

 税引き前利益は従業員へのSTAR(stock appreciation rights)プログラム費用を除いて,2億800万ユーロで前年同期の1億400万ユーロに比べて100%増。STARプログラム費用を含めると1億5400万ユーロで,前年同期の7900万ユーロから95%増となった。

 2000年1月からの9カ月間でみると,売上高は前年比19%増の41億ユーロで,純利益は9%減益の2億6000万ユーロ。第1四半期,第2四半期とも増収ながら減益(-18%,-43%)が続いたことが響いた。

 第3四半期は,電子商取引向けプラットフォーム「mySAP.com」の販売が好調で,2億9400万ユーロの売上高を記録した。新規顧客への販売が売り上げ全体の49%を占めた。販売先は,石油大手の米Exxon Mobilや九州電力,東京放送(TBS),シンガポール航空など。ライセンス収入全体における「mySAP.com」の割合も前期の47%から61%へと増大した。

 「mySAP.comへの評価が高まってきたことと米国法人のリストラが奏功し,今期の好決算をもたらした」(SAPの共同会長兼CEO,Henning Kagermann氏)。

 ライセンス収入全体の売上高は前年同期比53%増で4億8000万ユーロ,製品販売の売上高もほぼ5割増となった。一方で,コンサルティング・サービスは2%増,トレーニング・サービスは6%増とわずかな伸びにとどまった。

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[発表資料]