米priceline.comのライセンシで食料品およびガソリンのオンライン販売を手掛ける米WebHouse Clubは米国時間10月5日,今後90日間で営業を停止すると発表した。すでに料金を支払い済みの顧客には,小売価格との差額を上乗せして10月20日までに返金を行うという。

 「来年度に向けた事業見通しを立ててみたが,利益を産み出すのに必要な資金が調達不能と判断した」(WebHouse Club)。現在5000万ドル程度の手元資金のほかに,2000万ドルの流動資産があるため,顧客や取引先,従業員への支払いなどに支障はないという。

 過去2週間以内に購入手続きを済ませ,返金でなく物品での受け取りを希望する顧客は,10月7日まで同社の食料品カードとガソリン・カードが利用できる。顧客サービスの提供は今後90日間継続する。

 WebHouse社の顧客数は200万世帯。加盟店舗数は,食料品が7200店,ガソリン・スタンドが6000拠点。合計で1万3000あまりの加盟店を擁している。

 「WebHouse Clubは,大きな事業機会とともにリスクにも直面しなければならなかった。特に,ガソリンや食料品の小売事業に向け,全米にまたがるネットワークの構築で多額の投資が必要だった。メーカーやサードパーティーのマーケティング企業などとの提携や,情報システム構築への投資などにも多額の資金を要した。このほか経営面でpriceline.comの株主とは一線を画し,未公開企業として事業を開始したことも大きなリスクとなった」(WebHouse Club創立者のJay S. Walker氏)。

 なお,priceline.comとWebHouseの両社によれば,WebHouseの営業停止はpriceline.comのサービスに影響しない。priceline.comの航空券販売やホテル予約,住宅ローン,新車販売,レンタカー,長距離電話の各サービスはこれまで通りの営業となる。

 priceline.com社は同日,別のライセンシである米Perfect Yardsaleからも営業停止の通知を受けたことを明らかにした。priceline.com社は11月2日に第3四半期(7~9月期)の決算発表を予定しており,そこで第4四半期における事業計画や見通しなどについての詳細も報告する。

 同社は第3四半期決算について,売上高が予想を下回るとの警告を9月27日に発表している。航空券販売の不振などで,売上高はアナリストらによる約3億6000万ドル~3億8000万ドルとの予想より低い3億4000万ドル~3億4500万ドルにとどまるという。