独SAPは米国時間10月5日,データベース管理システムの「SAP DB」をGNU General Public Licenseのもとオープンソースとして提供すると発表した。SAP DBは,SAPが独Software AGから1997年7月に買い取ったリレーショナル・データベース管理ソフト(RDBMS)「ADABAS D」のSAP版。オリジナル版の提供開始は1994年。現在でも800件近くの顧客が利用しているとする。

 SAPはSAP DBのコミュニティ向けのWWWサイト(www.sapdb.org)を年内にも開設し,ソフトをダウンロードできるようにする。「ユーザは自由にアクセスし,迅速にアプリケーションを取り入れたり,カスタム化を行うことができる」(SAP)。

 SAP DBのサイトで開設するコミュニティ・フォーラムでは,参加するメンバー同士の技術共有/交換を可能とするほか,メーリング・リスト,ニュース・グループ,チャット・フォーラム,ソフトウエアのアップデート版ダウンロードなどのサービスを提供する。また,現在100社程度あるSAP DB関連のソフト開発ベンダーを対象とした出資も継続するほか,保守サービスの提供も行っていく。

 SAP DBのオープンソース化するSAPの狙いは,製品管理コストの削減。オープンソース化によってSAP DBの保守/メンテナンスをソフト開発ベンダーやユーザーに任せるのが狙いと見られる。

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