IEEE Industry Standards and Technology Organization (IEEE-ISTO)の下部組織でIPP(Internet Printing Protocol)の作業グループあるPrinter Working Group (PWG)は米国時間10月4日に,IPP 1.1版がIETF(Internet Engineering Task Force)の「Proposed Standard」として承認されたと発表した。

 IETFがIPP 1.1について,標準化に向けたプロトコル仕様を記載した文書であるRFC(request for comments)を発行したもの。Proposed Standardは,標準化作業中でプロトコル仕様が決定した段階を表す。

 具体的には,IETFはモデルおよび語義について定義するRFC2911(IPP 1.1: Model and Semantics)と符号化および転送について定義するRFC2910(IPP 1.1: Encoding and Transport)を発行した。これら文書はFTPサイト(ftp://ftp.isi.edu/in-notes/rfc2910.txtおよびftp://ftp.isi.edu/in-notes/rfc2911.txt)にアップされている。

 なおIPPに関しては,すでに以下のRFCが発行されており,これらと今回承認された仕様によりIPPの中核となる機能を定義する。

RFC2568 (Rationale for the Structure of the Model and Protocol for the Internet Printing Protocol)
RFC2567 (Design Goals for an IPP)
RFC2569 (Mapping between LPD and IPP Protocols)
RFC2639 (IPP/1.0: Implementer's Guide)

 IPPは,インターネット経由で任意のプリンタの遠隔操作を可能とするプロトコル。プリンタをURLで指定し,WWWブラウザ経由で印刷を実行したり,印刷状況の確認,プリンタの設定,インターネット上にあるファイルの直接印刷といったことが可能になる。

 IPPはすでに米国,日本,欧州の30数社のメーカに採用されている。IPP 1.0をサポートした製品はPWGのWWWサイトで公開されている。

 PWGは1996年に設立された。米Hewlett-Packard,米IBM,米Lexmark,米Microsoft,米Novell,シャープ,米Sun Microsystems,米Xeroxなどが先導してIPPの開発・標準化に向けて活動している。PWGは今後も同プロトコルを拡張し機能を高めていくという。現在は,LDAPスキーマ,ジョブ進行状況の属性,管理オペレーション,ジョブ/プリンタ・イベントの通知受信などについて定義する仕様策定に取り組んでいる。

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