米RealNetworksが米国時間5月24日に，ストリーミング・メディア配信システムの新版「RealSystem 8」をリリースした。ストリーミング・ビデオ技術開発で協力体制を敷いている米Intelのストリーミング・ビデオ配信ソフト「Streaming Web Video」を「RealSystem 8」に含まれる「RealVideo 8」に組み込んだ。

　「Streaming Web Video」により，色ムラや画像のゆがみ，画面のチラツキなどを抑え，画質を向上させたという。Intel社は，このところストリーミング・メディアにご執心である。5月初旬にはオーディオ/ビデオのストリーミング配信で，新たに「Internet Media Services」事業部を立ち上げた。2億ドルを投じて，オーディオ/ビデオのストリーム配信に向けたネットワークも構築中である詳細は「Intelがストリーミング・メディア配信センタを7月オープンへ」）。

　「RealSystem 8」は，主要コンポーネントとなるメディア配信サーバ・システム「ReealServer」，符号化システム「RealProducer」，プレイヤ「RealPlayer」などから成る。「RealVideo」を組み込んだ「RealProducer 8」のベータ版や「RealServer 8」のプレビュー版を，WWWサイト（ http://www.realnetworks.com）で提供している。正式版のリリースは2000年後半の予定である。「RealVideo」は「RealSystem 7」にも対応させる。

　「RealVideo」のビデオ・ファイルの圧縮効率を大きく向上させ。DSLやケーブル・モデムによる接続（200kbps～500kbps）では「VHS並み」，通信速度1Mbpsの高速通信環境では「DVDに近い」画質を提供するという。ダイヤル・アップ接続でもスムーズな動画が楽しめる。

　「RealSystem 8」では，MP3，Flash4，iPoint，RichFXに対応する。iPointは米Princeton Video Imageの技術で，カスタム化した広告やインタラクティブ・プログラム機能を組み込むことができる。RichFXは，3D映像を含んだビデオ・ファイルを従来の1/20程度にまで圧縮する技術である。旧製品名は「WebGlide」。

　米Adobe Systems，米Akamai, Cidera, Digital Island, EMC2, 米Hewlett-Packard, iBEAM, 米IBM,米Intel, live365, 米Macromedia, PanAmSat, 米RedHat, 米Silicon Graphics, and 米Sun Microsystemsの各社が「RealSystem 8」をサポートすることを決めている。また，200社以上のベンダがすでに対応アプリケーションを開発中という。