(2000.9.29,Mark Hachman= TechWeb News

 開発は期待以上に順調であるという報告にもかかわらず,米IntelのPentium III後継マイクロプロセサ「Pentium 4」の出荷時期は今年のホリデー・シーズンにまでずれ込む。Intel社に近い情報筋によると,同社は当初予定していた10月半ばという出荷時期を10月30日に延期,その後さらに11月20日に延ばした。

 その原因は定かではない。「私の知る限り,チップにはなんら問題がない」と語るのは米Mercury Research Corp.のアナリストのDean McCarron氏。Intel社は1.4GHzと1.5GHzのPentium 4を市場に投入する予定だった。同社は1.4GHz版だけを予定していたので,当初の見込みを上回るはずだった。しかも最初はロードマップに書き込まれていた1.2GHz版と1.3GHz版は,こっそり姿を消した。

 一方,Intel社の広報担当者は「1.4GHzのPentium 4を投入する。Pentium 4は“健康的”と言える,我々は第4四半期に出荷する計画を発表しており,この予定に変更はない」としている。

 この状況は1996年のMMX付きPentiumを思い起こさせる。1996年の後半,Intel社はMMX付きPentium(いわゆる「P55C」)の発表を行ったが,製造上のトラブルから出荷時期が翌97年の1月までずれ込んだ。

 同プロセサを待ち望んでいたユーザは1月までパソコンを買い控えたため,1996年第4四半期の世界のパソコン販売台数の前年同期比伸び率は14%にとどまった(米IDCの調査による)。一方,97年第1四半期の伸び率は16%となった。このとき,パソコン・メーカは旧機種と新機種の在庫調整をやりくりする必要に迫られた。またIntel社が旧Pentiumの価格を下げたことから,日本のパソコン・メーカーの1997年のパソコン売上高は前年比1%増にとどまった。

 なおCeleron後継の「Timna(開発コード名)」の開発中止も米国時間金曜日に明らかになった。

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