米Microsoftとケンブリッジ大学は米国時間9月28日に,音声認識システム開発のためのツールキット「Hidden Markov Model Toolkit(HTK)」を公開したと発表した。

 HTKは,音声認識のソフトウエアやツールキットなどを手がけていた米Entropicが保有していたソフトウエア。Microsoft社は1999年10月にEntropic社を買収しており,このときHTKも同時に取得していた。

 HTKはもともとは,ケンブリッジ大学のSteve Young氏およびPhil Woodland氏が1990年代初頭に開発していた,音声認識に焦点をあてた音声処理技術の研究開発ツールキット。その後,Entropic社がHTKのマーケティングに関する権利を1993年に取得,1998年には所有権を取得していた。Microsoft社としては,Entropic社買収後もHTKを音声認識技術研究のコミニュティに提供したいと考えており,今回の公開に至ったという。

 HTKはケンブリッジ大学の工学部のWWWサイト(http://www.eng.cam.ac.uk/)で無償で公開される。すでにHTKを利用している機関などに加え,多くの学校,大学,研究機関に利用してもらいたい考えだ。なおHTKのメンテナンスおよび今後の開発はケンブリッジ大学が行う。

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