米Motorolaは,Trafficmaster Plc社が新たに設立した子会社Trafficmaster Europe GmbHの株式を取得した。Motorola社が米国およびドイツ時間5月26日に発表したもの。金額などの詳細については明らかにしていない。

 Trafficmaster Europe社は高度交通情報のためのインフラ提供を目的として新たに設立された会社。当初はドイツで活動を始め,その後欧州の主要国へと拡張していく予定である。

 Motorola社はすでに自動車メーカなどと協力し,次世代「テレマティックス」製品の開発にあたっている。自動車産業で使われる「テレマティックス」という言葉は,車載/組み込み電子機器のシステムや技術を指す。無線音声/データやGPS(Global Positioning Systems)といった通信技術を用いる。

 Motorola社は今年1月に「iRadio」と呼ぶインターネット・ラジオのプロトタイプを発表している。iRadioは自動車メーカによって提供される「車載情報エンターテイメント・システム」(Motorola社)で,無線WWWアクセスを介して,リアルタイムの交通情報,オンデマンドによる音楽,オーディオ・ブックのダウンロード,電子メール,ボイスメール,ニュース,天気予報,株価情報といったサービスを運転者に提供する。これには,衛星やデジタル・セルラーなどの無線通信技術を用いる。またTrafficmaster社の技術と組み合わせることで交通情報を考慮したリアルタイムの経路指示が可能。

 なおMotorola社とTrafficmaster社は1999年9月に最初の提携を行った。GSMやダイナミックな交通情報といった両社の技術を組み合わせて,テレマティックス製品の開発にあたっている。

 Trafficmaster社は交通監視システム技術を手がける会社。すでに英国の幹線道路(全長は約1万3000km)に7000個を超えるセンサを設置済みである。ドイツでもMannesmann Passo社との提携によって,アウトバーンの全長8000キロメートルに同様のセンサを設置している。Trafficmaster社はこのほかの欧州諸国でも,各国で互換性を持った自動車向け情報サービスを提供していく計画である。

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