米Sun Microsystemsが米国時間9月27日に,「Solaris 8 Operating Environment」の最新版を発表した。Sun社が同日出荷を始めた64ビット・マイクロプロセサ「UltraSPARC III」を用いたシステム向けに最適化したほか,30を超える新機能を追加した。システム管理の簡易化も図った。

 Sun社は同日,新しいハードウエアで既存のアプリケーションの動作を保証する「Solaris Application Guarantee」プログラムにUltraSPARC IIIベースのシステムを追加した。

 Sun社は「Net Effect」と呼ぶネットワーク戦略を打ち出しており,「Solaris 8をNet Effectの中核とし,高いネットワーク技術を展開していく」(Sun社)。

 新版のSolaris 8のリリースは,およそ30日後を予定している。Sun社の「Free Binary License」プログラムにより,従来通りエンド・ユーザ・ライセンス料は無料とし,メディア代の75ドルで提供する。8プロセサ以下のシステムで無制限に利用できる。Sun社によれば,Solaris 8のライセンス数はこれまでに42万8000を超えるという。

 Solaris 8新版で追加した主な機能は以下の通り。

・IPネットワーク・マルチパス:
 2台以上のネットワーク・インタフェース・カード(NIC)を一つのシステムで稼働させ,ネットワークの負荷を複数のNICに分散させる。フェールオーバー機能を備える。また複数のNICをすべて稼動させ,システムのスループットを高めることができる。

・モバイルIP:
 無線端末からのアクセスを,固定IPアドレスで可能にする。

・Solaris WBEMサービス:
 Sun社以外のベンダが提供するツールを使って,Solaris OS管理を実行できるようにする。

 Solaris 8新版では,以下の機器に対応させた。

・IEEE 1394

・取り外し可能なメディア:IOMEGA ZIP/JAZドライブやDVDドライブなど。

・CD-RWドライブ(SPARCプラットフォームのみ)

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[発表資料]