(2000.9.25,Mark Hachman= TechWeb News
 米Intelが米国時間9月22日に,データ・センターのサーバー機として米Dell ComputerのItaniumマシンを使う可能性が高いことを明らかにした。これまでIntel社は,データー・センターで用いるマシンのベンダー名に関しては,コメントを避けてきた。

 Intel社はすでに,10~12カ所にデータ・センターを世界に設置している。今年中には,この数を30カ所にまで拡大する。副社長であるSean Maloney氏によると,Intel社のデータ・センターに対する投資は3億ドルに達するという。

 Dell社の広報担当者によると,同社はIntel社のデータ・センターに6000台のサーバー・マシン「PowerEdge」を納入している。具体的には,「PowerEdge 2450」「同6450」「同8450」およびストレージ装置の「PowerVault」が含まれる。

 Intel社はまもなく64ビット・マイクロプロセサ「Itanium」を投入する。Maloney副社長によると,同社はデータ・センターをItaniumの能力を披露する場として考えている。「30カ所のデータ・センターすべてに,Itanium搭載機を置くことになろう」(Maloney副社長)。ただし同氏は,今後設置するデータ・センターはItanium機がベースになるのか,32ビット・マシンから64ビット・マシンへの移行措置に関する質問には答えなかった。

「Itanium搭載サーバーに25万ドルを支払った」と関係者

 Dell社は,4ウエイのItaniumサーバを提供することになりそうだ。同社は顧客に対して内密裡にサーバーの試作機を披露したが,このPowerEdgeは6.4GFLOPS(billion floating-point operations per second)の浮動小数点演算性能をもつという。このほかDell社は,ワークステーション「Precision」のプロトタイプも明らかにした。一つは2ウエイのItanium機で開発コード名は「Hurricane」。もう1台はPentium 4を搭載した「Precision 330」である。

 ItaniumベースのPowerEdgeは,12月に出荷が始まるもようだ。量産は2001年第1四半期あるいは,Intel社がItaniumの量産を始めた時点とみられる。Dell社はサーバ機の価格を明らかにしていないが,2人のユーザーからの情報によると25万ドルを支払ったという。Itaniumサーバのコストに関しては,メモリが大きな部分を占める。標準的な構成では2Gバイトの主記憶を搭載することになると思われる。ある関係者によると,Intel社はItaniumをヒートシンクも装備したアドイン・カ-ドの形でユーザに提供している。

 なおIntel社はItaniumの売り上げが出始める時期を,2000年第3四半期から第4四半期にズラした。最初のバージョンの動作周波数は733MHzで,当初予定の800MHzには達しないとみられる。

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(2000.9.25加筆)(IT Pro注:なお,9月12日にインテル日本法人が行った「AppChoiceマネージド・ホスティング」の発表会見の席で,傳田信行会長がパートナ企業についての質問への回答の中で,「データ・センターに使うサーバー機としては,まずDell機の検証が完了している」と発言していた。また日本のAppChoiceサービスで使用するDell機のモデル名については,日経バイトの記事で報じられている)(千田 淳=IT Pro編集)