米NVIDIAは米国時間9月21日に,同社がマルチメディアLSIを米Microsoftの家庭用ゲーム機,X-Boxに供給すると発表し,その概要について明らかにした。

 NVIDIA社はX-Box専用に開発するLSIを「MCPX」と名付けた。MCPXは,3次元音響効果や広帯域通信を可能にするMedia Communications Processor(MCP)で,その中核となるのは一対のDSP(Digital Signal Processor)である。

 「演算処理能力は毎秒最大40億回で,Pentium IIIのマルチメディア処理能力と同等。X-Boxで3次元オーディオ,超リアルなサウンド・エフェクト,広帯域インターネット通信を実現する」(NVIDIA社)。

 なおNVIDIA社はすでに,X-Box向けに3次元レンダリング用グラフィックスLSI(GPU:Graphics Processing Unit)を供給すること,3D技術をMicrosoft社にライセンス供与し,「DirectX」APIに採用されることを明らかにしている。これら技術を組み合わせることで,X-Boxは高性能な3次元グラフィックス,高精細ビデオ/オーディオ,広帯域通信といった機能を実現するという。

 X-Boxは2001年秋に出荷が予定されている。NVIDIA社のGPUおよびMCPXのほかには,動作周波数733MHzのx86互換CPU,容量8Gバイトのハードディスク装置,64Mバイトのメイン・メモリなどが搭載される。

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[発表資料]