米Intelは9月20日に,無線携帯端末向けアプリケーション開発のための枠組み「Personal Internet Client Architecture(PCA)」 を発表した。東京で開催された開発者会議「Intel Developer Forum(IDF)」で明らかにしたもの。

 PCAは,インターネット対応の携帯電話機やハンドヘルド機器に組み込むアプリケーション開発のための枠組みを開発者に提供するもの。開発者が,コンピューティング処理のサブシステムと通信処理のサブシステムのハードウエア/ソフトウエアをそれぞれ個別に開発できるようにし,アプリケーションの市場投入を促進する。

 「現在の携帯無線機器向けアプリケーション開発はシーケンシャルで,その開発速度も遅い。ペースを上げるには,ハードウエアとソフトウエアが同時並行で開発される環境が必要」(同社Wireless Communications副社長のRon Smith氏)。

 無線端末(クライアント)機器は今後,ストリーミング・オーディオやビデオなどのインターネット・コンテンツを扱う必要がますます増え,これら機器のデータ処理能力も高いものが求められる。「しかしながら,現在はマイクロコントローラやDSP(digital signal processor)でこれらを処理している。DSPなどは,通信処理には向くが,コンピューティングには必ずしも適しているとはいえない。PCAは,Intel社のXScaleをベースのプロセサをはじめとする,マイクロプロセサむけのアプリケーション開発環境を提供する」(Intel社)。

 XScaleは,StrongARMの技術をベースにしている。無線インターネット・アクセスやネットワークなどのアプリケーションに向けたマイクロアーキテクチャである。携帯電話などのインターネット端末やネットワーク機器,ストレージ機器に向ける。Windows CEをはじめ,VxWorks,IxWorks,EPOC,Embedded LinuxなどのOSに対応する。
 Intel社はPCAに基づいた携帯無線機器の開発プラットフォームも提供する。XScaleをベースとしたマイクロプロセサ,携帯電話機向けベースバンドLSI,フラッシュ・メモリなどを組み合わせることで,PCAの利点を生かした開発プラットフォームを構築できる,としている。

 なお,PCAの仕様ドラフトは同会議で主要な無線関連企業に配布された。またIntel社は,今年末までに仕様の最終版とソフトウエア開発者キットを提供する予定である。

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