IEEE 1394の標準化を進める業界団体「1394 Trade Association」と自動車内LANの標準化を目指すIDB Forum(Intelligent Transportation System Data Bus)は米国時間9月18日に,車載機器と携帯機器をつなぐための仕様「IDB-1394」のドラフト版を発表した。

 IDB-1394は, IEEE 1394をベースとしたプロトコルである。基本アーキテクチャに加え,合成樹脂ファイバや銅コネクタといった物理層の技術について定義する。これにより,車内LANを使って,車載機器とCDプレーヤ,DVDプレーヤ,ゲーム機,コンピュータといったポータブル機器を接続できるようにする。

 作業グループAutomotive Work Groupの委員長を務める,米TI(Texas Instruments)のBrad Little氏と,副委員長の米Ford MotorのFrank Desjarlais氏が,IDB Forumおよび1394 Trade Associationの作業グループCable/Connector Working Groupと緊密に連携をとり,仕様を完成させたという。

 IDB-1394は,車内LANと「Customer Convenience Port(CCP)」と呼ぶ民生機器との接続部分の二つから成る。車内LANでは光ファイバ網の物理的な技術仕様を定義する。これにより,車載のDVDプレーヤ,ビデオ・ディスプレイ,ナビゲーション・システム,無線機器などを接続する。100M,200M,400Mビット/秒の機器をサポートする。

 CCPは,IEEE 1394bの物理層およびコネクタ部分を定義する。ユーザは家庭と車内で同じケーブルを使えるため,容易に携帯型CDプレーヤ,ノート・パソコン,PDAなどを車内に持ち込み,車載機器と連携して利用することができる。

 IDB-1394は,1995年のIEEE1394,2000年の1394a,今後の1394bの機能を拡張するものである。IDB-1394の次のステップは電源管理に関する仕様の策定で,こちらは今年末にも完成するという。

 1394 Trade AssociationとIDB Forumは大手自動車メーカと協力し,今年10月16~18日にデトロイトで開催される車載電子機器の会議「Convergence 2000」でデモを行う予定である。

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