フィンランドのNokiaは,第3世代(3G)携帯電話向けサービス開始に向けた施設をパリに開設したと発表した。開設したのは,機器の相互接続性をテストするラボ「3G Interoperability Testing(IOT)」。また,本格的なネットワーク構築のための機関「System Integration Center」もパリ近郊に設立した。

 IOTは,コア・ネットワークやIPバックボーン,3G RFアクセス,3G対応基地局などからなるNokia社の設備と他社の3G向け設備との相互接続テストなどを行う。またIOTは,通信事業者やベンダーなどに対してはNokia社の技術へのアクセスも提供する。

 「モバイル・インターネット接続サービスやローミング・サービスなどを提供する3Gサービスでは,相互運用性の確保やオープン・インタフェースの搭載が不可欠」(Nokia社Paul-Henri Ferrand氏)。

 「System Integration Center」は,通信事業者やISP(Internet Service Provider)向けの施設で,3Gやモバイル・インターネット接続技術およびアプリケーションの開発/提供に注力する。コンサルティング・サービスをはじめ,アーキテクチャ,技術設計,開発,プロジェクト管理,インテグレーションなどに対応するIP(Internet Protocol)やモバイル・システム・インテグレーション・サービスを提供する。

 System Integration Centerはすでに営業を開始。WAPやGPRSサービス,アプリケーションの提供はすでに開始しており,3Gサービスもまもなく提供を始める。さらにGSM,GPRS,W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access),EDGE(Enhanced Data rate over GSM Evolution)や,ADSLサービスなども今後追加サービスとして提供していく予定。

 今回のセンター開設の主な目的は,次の2点。まず第1の目的は,自社のゲートウエイやモバイル・インターネット向けプラットフォームなどの製品,Operational Support System(OSS:課金機能などを提供する営業系システム),マルチメディア対応メッセージング・サービスの提供など。さまざまな製品/サービスの提供でNokiaの3Gネットワーク網へ接続する通信事業者などをサポートする。第2の目的は,通信事業者がマルチメディア・サービスやアプリケーションをエンドユーザに提供するためのソリューションの開発/提供する。

 センターで提供するサービスやアプリケーションは,企業ユーザと消費者の両方に向ける。サービスの第1弾として,情報や位置確認サービス,エンターテインメント関連サービスへのアクセスを提供する予定。

 センターではNokia社のネットワークを用いるほか,世界各地の800社以上の提携企業の協力を得るという。

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[発表資料1]