米International Data(IDC)は米国時間9月13日,CRM (customer relationship management)システムの世界市場調査結果を発表した。

 同調査結果によると,市場規模は年間平均29%で拡大する。1999年の市場規模は344億ドル。これが2004年には1252億ドル規模に達するという。ITサービス市場全体とに比べると2倍以上も速い成長である。

 IDCの分析によれば,急激な拡大の要因は「増加する顧客の期待とe-businessの影響」。

 「e-businessの成長がCRMサービス市場に最も大きな影響を与えている。e-businessは事業運営の方法をだけでなく,顧客との関係を構築する方法も変えた。新たなコミュニケーション手段が生まれ,顧客サービスをとりまく規則や期待も変化した。消費者は満足できるサービスを提供するベンダーにお金を費やす。従って顧客サービスは,オンラインとオフラインの双方において差異化を図るための重要な役割を担うようになる」(IDC,eCustomer Care Services調査プログラムのプログラム・マネージャKatrina Menzigian氏)。

 CRMサービス市場で最も需要が高い分野はアウトソーシング/業務管理。1999年にはCRMサービス市場全体における売上高の67%を占めた。アウトソーシング/業務管理は今後も最も需要の高い分野であり続けるが,2004年には市場全体に占める割合は60%まで減少する。一方,CRM導入サービス分野はそのシェアを1999年の19%から2004年には25%に拡大する。

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