米Sun Microsystemsが米国時間9月11日に,組み込み向け64ビット・マイクロプロセサ「UltraSPARC IIe」のサンプル出荷を開始した。

 UltraSPARC IIeは,通信,ネットワーク・インフラといった市場での利用を想定しいる。Sun社は,UltraSPARC IIeを使うことによって,消費電力,チップ数,システム全体にかかるコストを削減でき,64ビットを生かした性能向上が図れる,としている。

 UltraSPARC IIeは,400MHzと500MHzの動作周波数を用意する。256Kバイトの2次キャッシュ,PCIバス・コントローラ,SDRAMコントローラを備える。

 消費電力は400MHz品が1.5Vの電源電圧で最大8W。500MHz品が1.7Vの電源電圧で最大13W。電源管理機能を組み込んでおり,待機モード時の消費電力を約3Wに抑えることができる。

 UltraSPARC IIeのサンプル品はすでに数量限定で出荷を始めている。量産は2000年11月に始める予定。400MHz品の価格は230ドル。OEM向け年間50万個受注時の価格は145ドル。500MHz品は357ドルおよび,OEM向け年間50万個受注時の価格が225ドル。

 Sun社は,UltraSPARC IIeのデモが行えるデザイン・キットおよびアーキテクチャについて詳細を記したドキュメントを今年11月に配布する予定である。これには,リファレンス・ガイドのほかソフトウエアのポーティングやカスタム・アプリケーション開発のためのプラットフォームが含まれる。

 なおSun社によれば,米Wind River SystemsがリアルタイムOS(RTOS)「VxWorks」でUltraSPARC IIeをサポートする。このほか以下の企業からの支持も得ているという。Alcatel,富士通,Tenovis,Force Computers,Cycle Computer,Naturetech。

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