米IBMや米Microsoft,米Aribaなどの企業30数社が集まり,インターネットを介した電子商取引(EC)のための標準仕様策定に向けて協力体制を敷く。プロジェクトおよび仕様の名称は,UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)。インターネットにおける企業間(business-to-business)取引環境の統合を目的とした取り組みである。

 現在インターネットにおける企業間取引は,それぞれの企業やマーケットプレースで多種の技術が使われている。このため共通の取引環境がなく,さまざまな問題が山積している。

 UDDIは次の2点を提供することで,これら問題に取り組むという。

 1)プラットフォームに依存しない仕様を策定し,企業が自社の製品やサービスについて記述したり,導入している電子商取引の手法について情報を発信できるようにする。

 2)企業の情報を記載したオンライン・ディレクトリ「UDDI Business Registry」を提供する。企業はUDDI Business Registryを通じて自社の商取引に関する情報を発信し,また必要とする他社の製品/サービスを探せるようにする。

 「UDDIの最終目標は,すべての電子商取引/WWWサービスをダイナミックかつ自動的に統合するインフラの基本部分を提供すること」(UDDI)。

 WWWサイトが,HTMLという共通の形式で消費者のインターネット利用を促進させたのと同じように,UDDIはWWWサービスのための枠組みを提供し,インターネットにおける企業間商取引を促進させる。マーケットプレースやASP(Application Service Provider),企業がUDDI仕様に準拠したアプリケーションを利用することで,自社のWWWサービスをダイナミックに定義し,またUDDI Business Registryを利用して製品/サービスについての情報を発信,他社の情報を得ることができる。結果として世界中の数百万という企業が自由に取引することができるようになる。

 UDDIはオープンな取り組みで,いかなる企業も参加し,仕様を取り入れることが可能という。なおUDDI仕様はTCP/IP,HTML,XMLといった標準技術をベースとする。UDDI仕様のドラフト版はWWWサイト(http://www.uddi.org/)で入手可能である。仕様の最終版は一般からの意見を聞いた上で,まもなくリリースする予定である。今後18カ月以内にも標準化機関に仕様を提出する計画を立てている。

 UDDIに参加する企業には以下がある。American Express Co.,Andersen Consulting,Ariba Inc.,Bowstreet,Cargill Inc.,Clarus Corp.,Commerce One Inc.,CommerceQuest Inc.,Compaq Computer Corp.,CrossWorlds Software Inc.,Dell Computer Corp.,Descartes,Extricity Software Inc.,富士通,Great Plains,i2,IBM Corp.,Internet Capital Group,Loudcloud Inc.,match21,Merrill Lynch & Co. Inc.,Microsoft Corp,NEON,Nortel Networks Corp.,NTT Communications Corp.,Rational Software Corp.,RealNames Corp.,Sabre Holdings Corp.,SAP AG,Sun Microsystems Inc.,TIBCO Software Inc.,Ventro Corp.,Versata Inc.,VeriSign,VerticalNet Inc.,webMethods Inc.。

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