米International Data Corp.(IDC)が米国時間7月26日に,米国のビデオ・ゲーム機市場を調査した結果を発表した。市場での競争はますます激化している。2001年の年末商戦には次世代ゲーム機が登場し,さらに拍車がかかるとIDCではみている。競争激化のあおりをうけて,出荷台数は増加するものの,売上高は減ると予測する。


 ハードウエアの出荷台数は,2003年に2120万台でピークを迎える。売上高は23億ドルになる。これは2001年に比べて約10億ドルの減少となり,市場規模は縮小してしまう。


 「米Microsoft,任天堂,セガ・エンタープライゼス,ソニー・コンピュータ エンタテインメントなどが演じる激しい競争が価格下落を引き起こし,結果的にハードウエアの売り上げは減少する」(IDCの Consumer Devices programアナリストのSchelley Olhava氏)。


 計画通りに進めば,「Sega Dreamcast」「Sony PlayStation 2」「Microsoft X-Box」「Nintendo Dolphin」「Nintendo Game Boy Advance」が,2001年末までに米国市場に出そろう予定である。「これほどたくさんのゲーム機が米国で共存できるとは考えられない。これまでの米国の歴史を振り返ると,プラットフォームの数は一つか,せいぜい二つだ。2位までに入らないとニッチ市場に追いやられるだろう」(IDCのいOlhava氏)。


 Microsoft社のX-Boxは,マイクロプロセサに600MHzのPentium IIIプロセサを使う。64Mバイトのメモリと8Gバイトのハード・ディスク装置,さらにDVD-ROMドライブを標準で装備する。基本ソフトはWindows2000のカーネルをベースにする。グラフィックスLSIは米NVIDIAのGeForceである。


 任天堂のDolphinのマイクロプロセサは米IBMが製造する。カスタム仕様のPowerPCチップ「Gekko(開発コード名)」である。Cu(銅)配線技術を用い,400MHzで動く。0.18μmルールの半導体技術で製造する。グラフィックスLSIの開発は,カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く米ArtX(カナダのATI Technologiesが今年2月に買収)が手掛けている。


 ちなみに米PC Dataは米国時間6月8日に,テレビ・ゲーム市場と将来のオンライン・ゲームについて調査した結果を発表している。それによると家庭インターネット・ユーザの1/3が次世代テレビ・ゲームを購入する予定であるという。そのうち63%以上が「Playstation 2(PS2)」を購入するつもりだと回答した。22.4%がセガの「Dreamcast」と回答,任天堂の「Dolphin」が17.2%,米Microsoftの「X-Box」が11.9%だった。


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